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 センター試験まで1カ月を切り、今年も大学受験の季節になりました。ラストスパートで何をすべきか。試験当日はどういう心構えで臨むべきか。現役大学生が、自身の経験をもとに受験生にメッセージを贈ります。

 初回は2015年のミス東大に選ばれた中田茉莉奈さん(19)=文科三類1年=と、同じくミスター東大に選ばれた片山直さん(21)=文科一類2年です。

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 (中田)私立女子校の小中高一貫校に通っていました。同級生はエスカレーターで大学進学する子が多かったので、受験勉強は孤独でした。東大を目指したのは、女子しかいないそれまでとは違う価値観に触れたかったから。大学受験が人生初めての大きな試験だったので、センターは緊張しました。

 当日は苦手だった数学で失敗しました。試験中「わかんない。解けない」と頭が真っ白になって。おまけにマークミスにも気がついて。試験後、寒くて真っ暗な中、独りで絶望的な気持ちでバスに揺られて帰ったことを覚えています。

 センターで失敗したので「東大は『足切り』かな」と思いました。それが、2次試験に進むことができた。「受けられるだけでラッキー」と、2次試験は気負わずに、いつも通りの気持ちで受けることができました。センターに失敗したのが逆によかったのかもしれません。受かっているとは思わなかったので、友人とファミレスにいるときに携帯で合格発表を見て、自分の番号があったときは信じられなかった。これ去年の合格発表じゃないの?って、何度も携帯の画面を見返しました。

 (片山)僕は2度目の挑戦で合格しました。現役の時、初日の国語に手応えがなくて。「うわー、2日目の理系科目で取り返さないと」と焦ってしまい、2日目の科目でいつも通り解けなかった。答え合わせをすると、国語の点数はそんなに悪くなかったんです。2日目を気負わずに受けていれば結果が違ったかも、と思いました。

 通っていた埼玉県立浦和高は何が何でも現役合格という校風ではなく、高校時代は部活と学校行事に全力。勉強は二の次でした。現役の時のセンターは、同級生と「本番に最も近い模試だ」と言いながら受けました。結果、納得の不合格。でも合格に15点足りなかったことがわかって、「15点なら1年で埋められる」と前向きな気持ちでした。

 浪人時代は、何度も何度も何度もセンター模試を受けたので、本番も「今日も模試かあ」というくらい肩の力が抜けていました。終わったときも「よーし、今日もこなしたな」って帰宅。全然緊張はなかったです。現役の時に引きずってしまった国語も、2度目は終わった瞬間に考えるのをやめました。国語って一番手応えがわからない科目です。そこはもう気にするのやめようと切り替えました。

直前期は計画と復習

 (中田)センター直前期の冬休みは、毎日同じリズムで勉強することを心がけました。毎日、午前9時から午後9時まで自習室にいました。朝が大事です。しんどくても起きて自習室に行きさえすれば、周りも勉強しているし、勉強するじゃないですか。午前中ダラダラすると、どんどん行きたくなくなるし。

 (片山)僕は自宅派でした。ぶつぶつ独り言を言いながら勉強していたので。特に記述問題は頭ではわかっていても、書けないことがある。情報を頭に入れたら、いったん頭を整理する。それから、ちゃんと覚えているか、声に出してみる。そうすると論理的に解答を書けるようになります。論理的に考えるのは、センター対策でも意識しました。答え合わせで正解した問題でも、ただ丸をつけるだけじゃなくて、他の選択肢はなぜ不正解なのか、どういう問題文だったら、この選択肢が正解になるのかを考えました。センターは問題文と正解の組み合わせの正誤を問われる試験なので、いろいろな正誤パターンを論理的に想定しておくことが「慣れる」ことだと思います。

 (中田)センター直前期は、科目に偏りがないように毎日やることを細かく決めて、エクセルで計画表を作りました。決めておかないと好きな科目ばかりやっちゃうからです。問題集の目次に○月○日といったようにやる日を書いておく。やった後は、点数と解くまでにかかった時間を書き込みました。あとは、センターだけでしか受けない理科系科目の暗記を直前期に一気にやりました。間違えた箇所を書き込んだノートを作って何度も見返して。本番にも持ち込みました。

 (片山)センターは時間配分の勝負。僕も直前期のセンター演習では、小問ごとに解くまでにかかった時間を記録しました。そうすると「難しいときは○分くらい時間がかかる。難しくないときは○分くらい」と自分の解答ペースがわかります。本番では小問をざっと見て「これは難しいな、これは難しくないな」と把握しておけば、時間配分で焦ることはありません。

思い切り頑張ったことが自信に

 (中田)合格したから言えることかもしれませんが、東大に挑戦してよかったです。それは、学力だけじゃなくて、自己管理することや、計画を立ててそれに向かうこと、苦手なものから逃げないこと、そういったことに挑戦できたことが、きっと社会に出てからも役に立つと自信になりました。

 (片山)浪人して良かったと思います。1年間集中して勉強ばかりしたことで忍耐力が鍛えられたし、孤独な中で、なんで東大に行きたいのか、自分を見つめる機会になりました。幸い合格できたけど、もし合格できなくても「これだけやったんだから」と、納得できるくらいやりきったという充実感がありました。受験から解放されたときのすっきりした気分は心地よかった。みなさんも、そこまで、もう少しです。(聞き手・佐々木洋輔)