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 結婚した夫婦は夫か妻の姓に合わせるとした民法の規定は、憲法に違反していないか。最高裁大法廷(裁判長・寺田逸郎長官)は16日に言い渡す判決で、初めての憲法判断を示す。同日には、離婚した女性に6カ月間の再婚を禁じる民法の別の規定についても、憲法判断が示される。

 「夫婦同姓」を定めた民法750条についての訴訟は、東京都内に住む事実婚の夫婦ら5人が2011年に提訴。国会が法改正をしないで放置したことで精神的苦痛を受けたとして、計600万円の慰謝料を国に求めている。

 今年11月に開かれた弁論で原告側は、結婚によって自分の姓を変更するよう強いられるのは人格権を侵害しており、憲法13条が保障する「個人の尊重」に反すると主張。現実には約96%の夫婦が夫の姓に合わせていることから、実質的に女性に不利益を強いる性差別だとして、憲法14条の「法の下の平等」や、24条の「結婚の自由」に反している、とも訴えた。

 法相の諮問機関「法制審議会」は1996年の答申で、「同姓」に加えて結婚前の姓を使い続ける「別姓」も選べるようにする「選択的夫婦別姓」を盛り込んだ。また、国連の女性差別撤廃委員会も85年に日本が批准した「女性差別撤廃条約」に基づいて、法改正するよう勧告している。原告側はこうした状況から、国には必要な対策を長年怠ってきたため賠償責任がある、と主張している。

 これに対して国は、賠償責任が認められるのは憲法で保障された権利を法律が明らかに侵害しているか、法改正が不可欠なのに国会が長期間怠ってきた場合に限られると主張。原告側が主張する「姓の変更を強制されない権利」は憲法で保障されたものではないうえ、現在の規定では夫婦どちらの姓も選べるため、性差別には当たらないと反論している。

 13年の一審・東京地裁判決は、「別姓」は憲法で保障された権利とは言えないとして請求を棄却。昨年3月の二審・東京高裁判決も一審の判断を支持したうえ、政府による世論調査の結果などから、「同姓」は現時点でも国民の支持を失っていないと述べた。(河原田慎一)