【動画】あの日以来、生徒の歌声が聞こえなくなった校舎で「校歌を歌いたい」=仙波理撮影
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 東京電力福島第一原発の事故後、生徒の姿が消えた福島県富岡町の県立富岡高校で、卒業生や元教職員の有志でつくる「母校で校歌を歌い隊!」が月1回、校歌を歌う取り組みを続けている。年内最後の活動日となった13日、日中は立ち入りができる居住制限区域内にある同校に、避難先から9人が集まり、3番まである校歌を歌い上げた。

 事故により、同町は全町避難が続く。富岡高は生徒を県内3カ所に分散させて存続しているが、2017年4月から休校となる。

 「歌い隊」の世話人は、元校長の青木淑子さん(67)。この夏、町外に避難中の生徒たちが荷物を取りに学校を訪れた際、口ずさんでいた校歌を耳にして、「あの日から生徒の声を聞いていない校舎に歌声を贈りたい」と、10月から活動を始めた。

 翠(みどり)の丘辺/空に映(は)え/咲きてぞ匂う/花々の……

 1950年創立の同校の校歌は美しいふるさとの景色をたたえるが、今や校庭の一部には雑草が生い茂り、昇降口には上履きが散乱。校門近くには放射線を測定する装置も設置されている。

 「歌い隊」の活動は来年も続き、次回は1月17日の予定という。(仙波理)