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【2009年3月19日 朝刊生活面】

 非営利の社会福祉法人が運営するのが、ケアハウスを中心とする軽費老人ホームです。運営費の一部が公費で補助され、所得の少ない人は比較的軽い負担で入居できるのが魅力です。

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 軽費老人ホームの種類は、古くからあるA型、B型と、90年代以降に建設されたC型(ケアハウス)がある。自炊のB型は少数派で、A型、ケアハウスとも3食付きだ。A型、B型も今後建て直す時にはケアハウスとなる。

 軽費老人ホームは元々、自立した高齢者の入居が前提で、介護保険を利用する時には外の事業者からのホームヘルパー派遣や通所が基本。重度の人への対応は難しく、特別養護老人ホームなどに再度の住み替えが必要となる場合がある。

 だが、高齢期の住み替え情報を提供するNPO「シニアライフ情報センター」(東京)によれば、入居者の平均年齢は80歳を超え、介護が必要な人は増える一方で、一部のホームでは重度の人のケアもしている。

 こうしたニーズに本格的に応えるのが、介護保険の特定施設の基準を満たした24時間対応の介護型ケアハウスだ。「終(つい)のすみか」にもなりうるが、こちらは自立した人は対象外となる。

 一般型ケアハウスの費用は家賃に当たる管理費と、食費などの生活費、人件費である事務費を合わせたもの。家賃と生活費は一律の料金だが、事務費は低所得者には減額される。税・社会保険料を引いた後の年間所得が150万円以下の人だと、月額1万円だ。

 情報センターの長岡彩子研究員は「地方では月額7万円程度で入居できるところもある」と話す。家賃の一括前納を求める施設もあるが、厚生労働省は「月ごとの徴収が望ましい」としている。

 介護型ケアハウスでは介護保険の自己負担分が、要介護度に応じて1万7千~2万6千円かかる。さらに設置基準よりも手厚く介護職員を配置している場合は、介護費が最高8万円前後、上乗せされる。

 A型だと家賃負担がない分割安だが、ケアハウスへの立て替えで負担が増え、低所得者が退去せざるを得ないケースも出ている。

 ホームの情報は都道府県の高齢者福祉担当課がまとめており、施設に直接申し込む。都市部では「50人待ち」などの場合もあるが、地方の一般型では空室も出ているという。

 地方財政の悪化で最近ケアハウスの新築は頭打ち。今後建設されるのも多くは介護型となる見通しだ。

 東京都三鷹市の「弘陽園」は軽費老人ホームからの建て替えを機に、一般型(定員20人)と介護型(定員40人)を併設するケアハウスとして08年に再出発した。

 後藤美代子さん(86)は15年間ひとり暮らしを続けていたが、体の衰えが不安になり、08年に一般型に入居した。元々の自宅に近く従来と同じ病院で診てもらえることや、介護が必要になっても介護型に移ればよいことがポイントになった。「ひとり暮らしの時よりも会話が増え、楽しく過ごしています」と話す。(太田啓之)

 ◇私の場合

高価な有料老人ホームでなくても 夫婦でケアハウスに暮らして3年近くになります。両親をみとった経験から「1人になってからホームに入ると、環境の変化がつらい。それよりは2人とも元気なうちに住み始めたい」と考えたからです。夫婦部屋で広さは約48平方メートル、食費も含め2人で月額16万円程度の負担で、年金だけでも何とか賄えます。自分勝手は通用しませんが、普通の人ならば安心して楽しく暮らせる環境だと思います。高価な有料老人ホームが、必ずしもいいとは言えないと思います。

 (群馬県 大石浩子 77歳)

家の新築時に介護のことも考えて 父母ともに自宅で過ごすことを希望していたので、父が80歳の時に自宅を改装しました。車いす移動を可能にし、風呂やトイレもできるだけ自分でできるよう改造。普通の家の居間を、病室風にしたようなものです。父母合わせて15年間自宅で介護ができたのは、これが大きかったと思います。家を新築する時に将来を見越して設計しておけば、いざと言う時に安い費用で使い勝手のよい介護病室に改造できます。快適な老後には、若い時からの備えが大切です。

 (千葉県 医師 平形征 70歳)

 ◇体験・ご意見お寄せ下さい

 「備える」は毎週木曜掲載。次回も「ケアのあるすまい」です。高齢期の転居について困ったことやうまくいったことなど、体験やご意見をお寄せ下さい(ファクス03・5540・7354、メールsonaeru@asahi.comメールする)。住所、名前、年齢、職業、電話番号を添えて下さい。サイト「どらく」からも投稿できます。

 □軽費老人ホームの比較(シニアライフ情報センターなど調べ)

 (1)対象 (2)施設数 (3)定員 (4)介護サービス (5)部屋の広さ (6)特色

 【介護型ケアハウス】

(1)介護が必要な人 65歳以上

(2)366(09年)

(3)1万5100人(09年)

(4)常駐の職員による24時間介護

(5)15.6平方メートル以上(ユニット型の場合)

(6)終のすみかとなりうるが、費用が民間の老人ホーム並みになる場合も

 【一般型ケアハウス】

(1)主に自立した人 60歳以上

(2)1505(09年)

(3)5万9100人(09年)

(4)ホームヘルプや通所介護などが基本

(5)21.6平方メートル以上(ユニット型でない場合)

(6)比較的安い費用。ただし要介護度が進むと転居を求められる場合も

 【軽費老人ホームA型】

(1)比較的低所得で自立した人 60歳以上

(2)233(07年)

(3)1万3600人(07年)

(4)ホームヘルプや通所介護などが基本

(5)15平方メートル程度

(6)将来的にはケアハウスに建て替え。その際に自己負担がふえることも

 □費用の目安は(月額)

 【介護型ケアハウス】

管理費(家賃)[0~10万円]+生活費[4万5千円]+事務費[1万~3万3千円]+介護費用[2万~10万円]=16万~25万円

 【一般型ケアハウス】

管理費[2万~9万円]+生活費[4万5千円]+事務費[1万~5万円]=7万~19万円

 【軽費老人ホームA型】

生活費[5万円]+事務費[1万~9万円]=6万~14万円

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