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 シャープの経営再建を巡り、政府系ファンドの産業革新機構が、出資するジャパンディスプレイ(JDI)を通じてシャープの液晶事業を買収することを提案する方針を固めたことがわかった。週内にもシャープと取引銀行に提案し、本格的な買収交渉を始める。国内2大液晶メーカーの技術を結集し、韓国勢などライバルに対抗する素地を築く。

 JDIは日立製作所、ソニー、東芝の液晶事業を統合した中小型液晶大手で、革新機構が株式の約35%を持つ。革新機構はシャープから液晶事業を切り出した新会社に出資し、その後JDIと統合させることを検討していたが、JDIが新会社を直接買収する方が手続きが早くなると判断したとみられる。買収資金は革新機構の出資を受けるが、JDIは株式を上場しており、市場から幅広く資金を集める方法もあり得る。

 革新機構は提案後、銀行団と本格的な交渉に入り、今年度内の合意を目指す。シャープの液晶事業が本体からどの程度借金を引き継ぐかは今後、銀行と交渉を進めるが、金額次第では難航するおそれもある。シャープが進めている早期退職や工場の一部閉鎖などのリストラを追加で求める可能性もある。

 一方、シャープの支援を巡っては、台湾の鴻海(ホンハイ)精密工業もシャープ本体への出資を含めた複数の提案をしているほか、海外の投資ファンドなども出資を含めた再建策を提案している模様だ。シャープはスマートフォンなどに使う中小型液晶の事業だけを革新機構側に売却し、テレビなどに使う大型液晶については、すでに工場を共同運営している鴻海に残りの持ち分を売却することも検討している。