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 夏目漱石は今年12月9日に没後100年を、来年2月9日に生誕150年を迎える。今、漱石を読む意味はどこにあるのか。劇作家・評論家の山崎正和さんに聞いた。

 朝日新聞社に入り、プロの作家になって以降の漱石の小説には、一貫した共通性があります。それは、女性に迫っていく生命力に欠き、自分ひとりでは女性を愛することができない男たちが描かれることです。

 「こころ」の先生、「それから」の代助、「門」の宗助、「行人」の一郎、みんなこのタイプです。女性を愛するために第三者を登場させ、嫉妬心を利用するのです。「こころ」で先生は、友人のKをわざわざ下宿に引っ張り込み、「それから」の代助は、三千代を愛するのに、平岡への嫉妬をバネにする。「門」の宗助も、もし御米が安井の妻でなかったら、あれほど積極的になったか疑問です。こうしたねじまがった恋愛の結果、男たちは自分を罰する自己処罰の感情を抱き、世を捨てたような生活をします。

 「こころ」の先生は自らを「淋…

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