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 マイナンバー制度の導入に向けた調査業務で、業者から100万円を受け取ったとして収賄の罪に問われた厚生労働省情報政策担当参事官室の元室長補佐・中安一幸被告(46)の初公判が24日、東京地裁であった。中安被告は「間違いございません」と起訴内容を認めた。検察側は懲役1年6カ月、追徴金100万円を求刑して結審。判決は来年2月16日に言い渡される。

 中安被告の起訴内容は、厚労省が2011年に公募したシステム設計などの調査業務について、東京都千代田区のシステム開発会社が受注できるよう取り計らい、その見返りとして同年11月9日、当時の社長から現金100万円を受け取ったというもの。

 検察側の冒頭陳述によると、中安被告は06年に社長と知り合い、タクシーチケットをもらうなどの便宜供与を受けるようになった。信頼しており、厚遇もしてくれた同社側に受注させたいと考え、公募が始まる数カ月前から事業内容を同社側に漏らし、同社側に仕様書や採点表そのものの原案を作らせていたという。

 検察側は収賄の経緯についても指摘。中安被告は、厚労省から出張費が出なくても、全国各地で行われる事業に出向いていたが、その際、「新幹線はグリーン車を使い、高級ホテルに宿泊していた」という。毎月のクレジットカードの決済にも困るようになったことから、受注が確実になったことを知らせる代わりに「中安被告側から、100万円を要求した」とした。

 被告人質問で中安被告は、大学の非常勤講師なども務めていたことから「先生と呼ばれ、おごりがあった」と説明。「(逮捕が)マイナンバー制度の導入と時期が重なり、国民の信頼を失墜させた影響は大きいと感じている。悔恨の情とともに、結果を重く受け止めています」と語った。弁護側は「動機は遊ぶ金ほしさではなく、酌量の余地はある」として執行猶予付きの判決を求めた。

 贈賄側の元社長は時効が成立している。(塩入彩、千葉雄高)