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 ヒトのiPS細胞から気道表面(上皮)の細胞を効率的に作ることに、京都大と大阪大のグループが成功した。上皮細胞の異常は重い難病などと関係しており、薬の開発や細胞移植につながる成果だ。

 米科学誌ステムセルリポーツ電子版に25日発表する。鼻の穴と肺を結ぶ気道の上皮細胞は様々な種類の細胞からなり、振動する細かい繊毛が生えたものや粘液を出すものがある。これらが病原体や異物の侵入を防いでおり、うまく働かないと、肺の感染症を繰り返す囊胞性(のうほうせい)線維症やぜんそくなどにつながる。

 気道の上皮細胞は体内から大量に取り出して研究に使うことができず、人工的に作る技術が期待されていた。グループは、iPS細胞を上皮細胞に変える途中に現れる特定の細胞だけを取り出して培養すると、高効率に上皮細胞が作れることを発見。繊毛の動きや粘液の分泌なども確認した。

 また、患者のiPS細胞から上皮細胞を作る研究も進めている。三嶋理晃・京大教授は「試験管で病気を再現できれば、病気の診断や治療薬の開発に役立てられる」と話す。(阿部彰芳)