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 「名人」「天才」とうたわれた落語家を演じてほしい、なんてムチャブリをされたら声優はどうするのか? 1月から放送が始まるアニメ「昭和元禄落語心中」でそれにこたえたのが石田彰さんと山寺宏一さん。12日に東京の日比谷公会堂で開かれた放送開始記念イベントで生演奏の出ばやしにのって登場し、石田さんは「本日は足元もお悪くない中、なんの支障もなく楽々とお越しいただき誠にありがとうございます」と“談志”風あいさつ、続いて山寺さんはいきなり「先生っ! 先生に診てもれえてえことがありまして。どうした、熱でもあるのかい? いえね、竹が花をつけまして、竹が花を持つと枯れるってんでちょいと診ていただこうと。おいおい私は医者だよ、そんなことは植木屋にでも行ったらどうだい? いえコチラはヤブ医者だってうかがったもんで」と小咄(こばなし)を一気にまくしたてました。お見事!

 雲田はるこさんの原作マンガは、昨年2月17日の本欄「円生が聴きたくなるマンガ」で雲田さんのお話と共にご紹介しました。ムショ帰りの与太郎が「昭和最後の大名人」八雲に弟子入り。八雲は兄弟弟子でライバルだった助六と切磋琢磨(せっさたくま)した若き日々を、与太郎と助六の遺児・小夏に語り聞かせる。そこには芸者みよ吉をはさんだ悲しい因縁があった……ってなお話。高座の場面はマンガの見せ場で、瞬間瞬間を巧みにとらえた表情とポーズ、生き生きとした江戸弁のセリフは、読めば落語が聞こえてくる出来栄え。テレビアニメ化に先立ちコミックス特装版にアニメDVDが同梱(どうこん)されたので、映像化するスタッフも演じる声優もさぞや大変だったろうと見てみると、満足七分(ななぶ)に懐疑が三分(さんぶ)といった感じでした。

 石田さんは風格があって狷介(けんかい)孤高、芸に厳しくイヤミな名人・八雲が憎らしいほどハマっています。関智一さんの与太郎も抜けちゃあいるが愛敬たっぷり、芸はまだ素人でもフラがある(なんともいえないおかしみを身にまとっている、という素質)と感じさせます。ただ高座シーンは(当たり前ですが)細かくカットが割られていてブツ切り。八雲の「死神」「鰍沢」にしても、与太郎の「出来心」にしても、落語としてどれほど仕上がっているのか、丸ごと全部聴きたい!と欲求不満が募りました。特に八雲は、見た人にどこまで「この人は名人だ!」(江戸弁なら「このシたぁ名人だ!」)と思わせられるのかがドラマのカギともなるので。

 そんなことを思っていたら、与…

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