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 米国とカナダのミサイル防衛などを担う北米航空宇宙防衛司令部(NORAD、米コロラド州)がクリスマスの「サンタ追跡」を始めて今年で60年になる。電話やネットで世界中の子どもたちにサンタクロースがいまどこにいるかを伝えてきた。きっかけはある子どもの間違い電話だった。

 サンタ追跡は米国時間で12月24日の1日限定。インターネットのサイト(www.noradsanta.org)を開くと、クリスマスの曲と共に3Dの地図が開き、トナカイに引かれたサンタが空中を駆け世界各地をめぐる様子が映し出される。画面には「最後に目撃された場所 トルコ・アンタルヤ、次の目的地シリア・アレッポまであと1分55秒、届けたプレゼント 27億4500万個」などと表示され、リアルタイムに数字が更新される。プレゼントを届けた町には印が付く。すでに日本も札幌や広島を訪れた。

 NORADなどによると、この「サンタ追跡」のきっかけは、1955年12月24日にかかってきた一本の間違い電話だった。コロラド州の量販店が、新聞に「サンタと話そう」と電話番号を掲載。ところが番号を書き間違え、それが偶然にもNORADの前身組織のホットラインだった。

 米ソ冷戦のまっただ中で、ミサイル攻撃の防衛を担う司令部だ。緊張して電話を取った大佐に、「サンタさん?」と女の子。大佐は、「サンタではないけれど、レーダーを見ると、サンタは北極から南に向かったよ」と教えた。その夜、司令部には子どもたちから多数の電話がかかり、総掛かりで対応したという。

 この一件の後、NORADは毎年サンタ追跡の問い合わせ電話を開設。ボランティアも動員して子どもたちの「サンタはどこ?」に対応してきた。

 近年は電話に加え、マイクロソフトと提携したサイトや、フェイスブック、ツイッター、ユーチューブなどでも情報提供している。サイトには毎年約200カ国・地域から約900万のアクセスがあり、職員やボランティアがこの1日に1万2千通以上のメールと約7万件の電話に答えているという。サイトは日本語を含む8カ国語で見られ、日本時間の25日夕方までサンタが世界中を走り回る姿が見られる。それ以外の時期には休んでいるサンタの様子などが映し出されるという。(サンフランシスコ=宮地ゆう)