【動画】皇居・御所でくつろぐ天皇、皇后両陛下や皇族方=宮内庁提供(音声はありません)

 天皇陛下は年頭にあたり、宮内庁を通じて文書で感想を発表した。戦後70年の2015年を「多くの人々が先の戦争に思いを致した一年でした」と振り返り、新年を迎えて「改めて国と人々の平安を祈念します」とつづった。

 また、今年は東日本大震災から5年を迎えるとして「未(いま)だそれまで住んでいた地域に戻れずにいる人々や、仮設住宅で苦労の多い生活を送っている人々がある」ことを案じ、「被災地域の復興が少しでもはかどるよう、願っています」と述べた。

 2日は皇居で一般参賀があり、天皇陛下は皇后さまや皇族方とともに計5回、宮殿のベランダに立ち、おことばを述べる予定だ。(島康彦、伊藤和也)

 宮内庁は新年にあたり、天皇、皇后両陛下が昨年1年間に詠んだ歌を発表した。天皇陛下は5首、皇后さまは3首で、それぞれ印象に残ったことを取り上げた。天皇陛下は戦後70年にあたり戦後に引き揚げ者が入植した地を訪れたことを詠んだ。皇后さまは東日本大震災で被災したJR石巻線の開通の知らせをうれしく聞いたことを詠んだ。

 天皇陛下は例年、この1年に関する5首に加え、三大行幸啓(全国植樹祭、国民体育大会、全国豊かな海づくり大会)についての3首の計8首を発表してきたが、年齢を考慮して全部で5首(この1年についてが2首、全国行幸啓が3首)となった。

 ▽天皇陛下

 〈第66回全国植樹祭〉

 父君の蒔(ま)かれし木より作られし鍬を用ひてくろまつを植う

 〈第70回国民体育大会開会式〉

 作られし鯨もいでて汐を吹く集団演技もて国体開く

 〈第35回全国豊かな海づくり大会〉

 深海の水もて育てしひらめの稚魚人らと放つ富山の海に

 〈戦後70年に当たり、北原尾(きたはらお)、千振(ちふり)、大日向(おおひなた)の開拓地を訪(と)ふ〉

 開拓の日々いかばかり難(かた)かりしを面(おも)穏やかに人らの語る

 〈新嘗祭(にいなめさい)近く〉

 この年もあがたあがたの田の実りもたらさるるをうれしく受くる

▽皇后さま

 〈石巻線の全線開通〉

 春風も沿ひて走らむこの朝(あした)女川(をながは)駅を始発車いでぬ

 〈ペリリュー島訪問〉

 逝(ゆ)きし人の御霊(みたま)かと見つむパラオなる海上を飛ぶ白きアジサシ

 〈YS11より53年を経し今年〉

 国産のジェット機がけふ飛ぶといふこの秋空の青深き中