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【2009年3月21日 朝刊1面】

 群馬県渋川市の高齢者向け住宅「静養ホームたまゆら」で19日夜に起きた火災で、渋川署は20日、焼け跡から新たに1人の遺体が見つかったと発表した。死者は7人になった。同施設は有料老人ホームとしての届け出はないが、東京都墨田区が入所先が見つからない生活保護受給者を紹介するなど、都内の自治体の受け皿になっていた。

 渋川広域消防本部は、体が不自由な入所者も多いため、「自力での脱出が困難だったために被害が拡大した」と分析している。渋川署は、55~84歳の入所者7人が行方不明のため、遺体はこの7人とみて確認作業をしている。

 同署によると、いずれも木造平屋建ての本館「妙義」、北側の別館「赤城」が全焼、西側の別館「榛名(はるな)」が半焼。7人の遺体は「赤城」で見つかった。県警は21日にも司法解剖を行い死因を調べる。「赤城」には共同の調理室や、食堂、浴室、トイレ、数部屋の居室があった。3棟の中で最も激しく燃えており、同署はこの棟の西側付近を火元とみている。

 「榛名」の男女4人は重軽傷を負い、「妙義」の男女5人は近隣住民らに救出された。ほかに当直の女性職員が1人いたが、無事だった。

 「たまゆら」は、99年設立のNPO法人彩経会(渋川市)が運営。同会の関係者によると、入所者には、自立歩行が困難な人が多かった一方で、徘徊(はいかい)を繰り返す人もおり、夜間は一部出入り口が施錠されていた。自動火災報知設備やスプリンクラーはなかった。彩経会の高桑五郎理事長(84)は「このような事態を招き、入所者および周りの人に対して大変申し訳ない」とするコメントを出した。

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