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【2009年3月21日 朝刊2面】

 群馬県渋川市の高齢者向け住宅「静養ホームたまゆら」で19日、火災が発生し、7人の命が奪われた。「老人ホーム」とは違い、地元の行政の目からこぼれ落ちた存在だった。しかし、そこに生活保護受給者を送り出したのは、都会の自治体だった。本来の住まいから遠く離れた地にあり、防災設備も万全でない、こうした施設で暮らす高齢者は増える一方だ。

 「法制度のはざまにある施設だった。非常に大きな問題だ」。20日午後の緊急会議で、大沢正明知事は危機感をあらわにした。実態を調べるため、県は週明けの23日に施設側の調査に乗り出す予定だった。

 経営するのは99年に県から認証されたNPO法人だ。施設を「救護静養ホーム」、事業内容を「生活保護受給者入所ホーム」とうたう。いずれも法令に基づかない「自称」だ。

 県は遅くとも06年7月には、「高齢者を含む生活保護受給者が入居しているようだ」という情報を得ていた。翌年、運営内容を確認する文書を送ったが、返答があったのは今月3日。その約2年の間に県が文書で催促したのは2回だけで、その回答にも矛盾があったという。

 施設関係者は明かす。「実態は有料老人ホーム。ただ、正式に届けると施設基準などを満たすための投資が必要で利用料に跳ね返る。あえて届けていなかった、と聞いた」

 関連施設を含めた入所者二十数人のうち15人は、東京都墨田区から紹介されていた生活保護受給者だった。このうち3人の安否が火災の後、分からなくなっている。

 墨田区によると、都市部の施設は、自力では生活できない生活保護受給者で飽和状態。親族の支援が得られない人が福祉事務所にかけこんできた場合、区は他県の施設を紹介するしかないという。

 「現地をケースワーカーが訪れて処遇を確認し、大丈夫だと判断した。ただ、防災施設など法令上の面まで確認しているわけではない」と高橋政幸保護課長は話す。

 実際の生活はどうだったのか。墨田区の紹介でやって来た60代の男性の場合、月8万4千円で入浴でき、食事も3食出るが、「食べさせて寝かせているだけ。区役所はここにぶっこんじゃえばいいと思っているようだ」という。

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