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【2009年3月21日 夕刊1面】

 群馬県渋川市北橘町八崎の高齢者向け住宅「静養ホームたまゆら」で発生した火災で、渋川署は21日、病院に運ばれていた2人が死亡したと発表した。火災で亡くなった入所者は計9人になった。

 渋川署などによると、新たに亡くなったのは相沢英男さん(88)と山田ヒデさん(72)。搬送先の前橋市内の病院で死亡したという。東京都墨田区の福祉事務所からの紹介で入所していた。

 また、県警は、焼け跡から見つかった7人の遺体は行方不明の55~84歳の入所者とみているが、遺体の損傷が激しいという。身元確認を急ぐとともに、司法解剖をして死因を特定する。県警は同日午前、現場検証を再開した。

 生活保護受給者を紹介していた墨田区の福祉事務所の横山信雄所長は、現地で報道陣に「有料老人ホームの届け出をしていないことは知っていたが、必要ないと思っていた」と話した。

 「たまゆら」の入所者の話によると、行方不明の7人の入所者の中には、認知症の症状がみられて夜間に徘徊(はいかい)する人もいた。このため、職員が施設内に鍵をかけることもあったと話す。施設を運営する特定非営利活動法人「彩経会」の役員によると、建物の中には、通路や食堂の入り口などに鍵つきの扉があるところもあり、夜間、施錠することもあったという。

 入所者は、寝たきりだったり、自力歩行が困難で車いすで生活したりしている人も少なくなかった。火災発生時、約150メートル離れた特別養護老人ホームの職員らが助け出した入所者5人のうち4人も自力では避難できず、かつぎ出されて助かった。

 県警は火災発生時の施錠状況についても調べている。

 一方、彩経会の高桑五郎理事長は、朝日新聞の取材に「鍵は内からも外からもかけていない。うちは自由に出入りできるようにしている」と述べている。

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