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【2009年3月24日 夕刊社会面】

 入所者10人が亡くなった群馬県渋川市の高齢者向け住宅「静養ホームたまゆら」の火災で、たまゆらを運営しているNPO法人「彩経会」の高桑五郎理事長(84)が24日午前、出火後初めて現地で会見し、陳謝した。高桑理事長は、建築の知識がないのに自前で無届けの増改築をしたと認め、「違法性の認識はあった」と述べた。さらに「避難しづらいだけでなく、火事の危険性は認識していた」として、増改築が被害の拡大につながったとの認識も示した。

 高桑理事長は冒頭、「このたびの火災で10人の尊い命を失った責任当事者として、深くおわび申し上げます。この20年、福祉の理想の道を目指したが、失格者であるとの認識です」と頭を下げた。

 管理責任について問われると「私の管理体制に不備があった。火災への対策を職員に徹底できなかった」と認めた。また、施設の位置づけが「有料老人ホーム」かどうかで行政側の認識も分かれていることに関しては「勝手に自分なりの理想を追って作り上げた」と話した。

 施設について、今月中に既存の施設を取り壊し、近くに建て替えて有料老人ホームとして届け出ようと考え、今月23日に県の現地調査を受ける矢先に火災が起きてしまった、などと説明した。

 7人の遺体がみつかった別館「赤城」の居室部分と食堂部分の間にあった引き戸については、認知症の入所者の徘徊(はいかい)防止のためにつっかい棒をつけていたことを明らかにし、「簡単に取り外しができるようなものを、と職員に指示したが、どんなものだったかは確認していない」と話した。

 ●別の高齢者施設、群馬県立ち入り

 群馬県と前橋市は24日、「彩経会」が手がける同市苗ケ島町の別の高齢者向け住宅「静養ホーム花みずきたまゆら」の調査に入った。防災体制や避難経路なども調べる。

 花みずきたまゆらも、たまゆらと同様に有料老人ホームなど法令に基づかない施設。2階建てと平屋建ての2棟がある。施設関係者によると、13の個室があり、渋川のたまゆらで火災が発生するまでは60~80代の男女11人が入所。入所者は群馬県内のほか、東京や埼玉、千葉から来ており、生活保護受給者も1人いるという。

 職員は男性1人と女性5人。昼間は2、3人、夜間は1~2人が勤務している。入所者の負担は、食費なども含めて1カ月10万円ほどという。

 ◇施設新設に補助、厚労省が検討へ

 高齢者向け住宅の火災で、犠牲者の多くが東京都から来ていたことについて、舛添厚生労働相は24日の閣議後会見で、「特別養護老人ホームとかを含めて、もう少し拡充しないといけない。基盤拡充するために、今後、いろいろな施策を展開していく」と述べ、施設整備の支援を検討する考えを明らかにした。

 都市部では高齢者の受け皿となる介護施設が不足している。舛添氏は「新しい施設を作りたいという人は、建設費がかかりますから、補助金を増やす形でのインセンティブを与えるとか、研究を進めたい」と述べた。

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