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【2009年4月19日 朝刊社会面】

 入所者10人が死亡した群馬県渋川市の高齢者向け住宅「静養ホームたまゆら」の火災から1カ月。焼け出された12人のうち、親族が迎えに来て別の施設へ移ったのは渋川市の女性(85)1人だけ。ほかの11人は「たまゆら」の関連施設に一時身を寄せるなど、いまも落ち着く場所が定まっていない。身寄りがなく何らかの障害がある人たち。今後の生活への不安は消えない。(渡辺洋介、菅野雄介)

 「パチパチ」とはじけるような音。「ゴーッ」という水道の蛇口を全開にしたような音。焦げ臭いにおいで火事だと気づき、ドアを開けたら熱風が吹き付けた。

 全盲の男性(61)は慌てて窓の方に向かうと、当直の女性職員(57)の絶叫が聞こえた。「火事だよーっ。逃げてえ」。煙が充満する中、窓を割った消防士に体ごと外へ引っ張り出された――。

 3月19日深夜、男性は出火直後に助け出された。だがいま、安住の地が定まらず不安を募らせる。「死んでいった10人の分まで生きなくちゃ、って思うけど……」

 男性によれば、福井県の高校を卒業後に上京。印刷会社に勤めていたが体調を崩して退社、40歳ごろからカプセルホテルや簡易宿泊所を転々とした。日雇いの仕事で食いつないだが、59歳の時、病気で目が見えなくなった。以前暮らしたことがあった東京都文京区に相談し、生活保護の手続きを取った。

 区の担当者は08年1月ごろ、インターネットで「たまゆら」を見つけた。東京都墨田区も生活保護受給者を何人も紹介していると知り、安心して男性に紹介したという。現在、文京区が新しい受け入れ先を探しているが、適当な施設には空きがない。

 10年ほど前まで路上生活をし…

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