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【2010年3月16日 朝刊社会面】

  都心の貧しいお年寄りたちの受け皿になっていた、群馬県渋川市の高齢者向け住宅「静養ホームたまゆら」。10人が死亡した火災が起きて、19日で1年を迎える。生き残った入居者はいま、どう暮らしているのか。

 東京都墨田区の小さな公園。元入居者の男性(80)は、地面から飛び出た木の根をノコギリで切っていた。「つまずくと危ないからね」。毎日5時間、自主的にこの公園をきれいにするのが日課になっているという。

 認知症で区の生活保護を受け、たまゆらを紹介された。火災後、区から生活保護者向けの都内の施設をあっせんされたが、自立した生活は困難とみなされ、台東区の介助付きの施設に移った。昨年6月、開所したばかりの墨田区内の施設に落ち着いた。民間運営で、有料老人ホームなど法律上の届け出はない。

 4畳弱の個室にはベッドとトランクだけで、料金は月約14万円。生活保護費のうち手元に残るのは約7千円で、そこから掃除道具を買う。それでも「3食ちゃんと出る。幸せ」と話す。

 福井県生まれ。妻は娘の誕生直後に家を出て行った。約3年後、今度は自分が実家に娘を残し、飛び出した。墨田区の遊戯施設の経営会社に勤め、退職後は酒におぼれた。

 時々、娘を捨てた罪悪感にさいなまれる。勤めていたころ「娘が高校卒業後、京都に働きに出た」と親からの手紙で知ったが、返事は出さなかった。「今ごろ探したってねぇ……」

   …

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