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 血液中にあるたんぱく質を増やすと、急性腎不全の症状が改善することを、東京大大学院の宮崎徹教授(疾患生命科学)がマウスの実験で突き止めた。このたんぱく質は人にもあり、応用できれば、新たな治療方法になる可能性がある。

 血液中にある老廃物は、腎臓にある糸球体という組織でこし出され、尿細管を通って尿として排出される。動脈硬化や脱水、手術による出血などで急性腎不全になると、数時間から数日で、そうした働きが低下。死亡したり、慢性の腎不全になったりする。

 太った人の動脈硬化や糖尿病の原因になり、細胞が死ぬのを抑えるたんぱく質「AIM」を発見した宮崎さんは、この物質が尿細管にたまった老廃物にくっつき、目印になる働きもすることに着目。重症の急性腎不全にかかったマウスに、1日1回、自分の血中に含まれる量の2倍を注射したところ、尿細管にたまった老廃物がなくなり、腎臓機能が回復したという。何もしなかったマウスは3日以内に死んだ。

 マウスは急性腎不全を発症すると、AIMが普段付着している大きなたんぱく質から離れ、糸球体を通過できるようになる。

 AIMが尿細管にたまった老廃物にくっつくと、それを目印に、異物をとらえる免疫細胞が集まり、老廃物を消化したという。宮崎さんは「(AIMを注射することが)人でも有効かどうかや、慢性腎不全にも効果があるか研究を進めたい」と話している。

 4日付の米医学誌ネイチャーメディシン電子版で発表された。(富田洸平)