[PR]

 職場から名前や生年月日などの個人情報を不正に持ち出したほか、アイドルのSNSの非公開ページなどを不正にのぞき見ていたとして、神奈川県警は22日、岐阜県に住む地方公務員の40代の男を個人情報保護条例違反と不正アクセス禁止法違反の疑いで逮捕した。捜査関係者への取材でわかった。

 捜査関係者によると、男は業務として管理する氏名、生年月日などの個人情報を持ち出した疑いがあり、総計で1万人以上にのぼるとみている。また、これらの情報を使うなどして、住民や芸能人らのインターネット上の非公開ページに、不正にアクセスした疑いがある。

 アイドルのウェブサイトなどに掲載された生年月日なども参考に、IDとパスワードを推測し、個人アカウントに侵入。メールやネット通販の購入履歴、ツイッターなどのSNSも閲覧し、アイドルのプライベート画像などを自身のファイルに保存していたという。

 県警はこのほかにも、アイドルなどの「ネットのぞき」をしていた数人を不正アクセス禁止法違反の疑いで書類送検している。

アイドル「住所知られていたらどうしよう」

 「まさか自分が……」。昨年11月、神奈川県警からの連絡で不正アクセスの被害に遭ったことを知ったアイドルの女性(22)は「住所を知られていたらどうしよう、と今も怖い」と話す。警察官と自分のツイッターのログイン履歴を確認すると、訪れた記憶がない関西地方で深夜に利用された形跡があったという。

 当時のパスワードは、誕生日と名前を簡単に並べ替えた単純なもの。ツイッターだけでなくブログやメールで、使い回していた。生年月日は事務所のウェブサイトや自身のSNSで公表していた。「パスワードの設定を軽く考えていた。自分だけでなく、周りの人の情報が漏れていたらと考えるととても不安になる」

 別のタレントの女性(26)も被害者で、「目に見えない重要なものを取られた気分。気持ちが悪い」と話す。やはり誕生日と名前でパスワードを作っていたという。(室田賢)

「漏洩の危機感持って」

《情報セキュリティー会社「ネットエージェント」の杉浦隆幸会長の話》 インターネットは便利だが、さまざまな個人情報が漏れているという危機感を持たなければならない。誰にでもできる対策は、IDとパスワードは個人情報から推測されない複雑なものにして、使い回さないこと、スマートフォンの指紋認証などセキュリティーレベルの高いシステムを使うことだ。メールに侵入されると、ネット通販での購入履歴やクレジットカードの番号まで知られ、商品の購入に使われかねない。見られたくない写真や情報を発信しないことも大切だ。