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 遺伝子の情報からたんぱく質を作るのに重要な役割を果たす「メッセンジャーRNA(mRNA)」を変形性ひざ関節症の治療薬として使う実験にマウスで成功したと、東京大のチームが発表した。独自に開発した極微のカプセルに入れて注射することで、mRNAを細胞内で狙い通りに働かせることができた。mRNAを使った新薬の開発が期待できるという。

 細胞内では、DNAの情報がmRNAにコピーされ、その情報にもとづいてたんぱく質が作られる。mRNAはそのまま細胞内に入れると炎症を起こしたり、すぐに分解されたりするが、チームは高分子でできた数十ナノメートル(ナノは10億分の1)のカプセルで細胞内に届ける方法を開発。軟骨が傷ついて変形性関節症になったマウスのひざに、軟骨の形成を促す遺伝子の情報をコピーしたmRNAを3日に一度、1カ月間注射した。

 すると、このmRNAにもとづくたんぱく質が作られ、注射しなかったマウスに比べて症状の進行が抑えられた。コラーゲンの量が増えるなど関連する効果もみられたという。東京大の位高啓史特任准教授(バイオマテリアル)は「mRNAを変えることで、関節以外の組織の治療に使える可能性もある」と話している。論文は英科学誌サイエンティフィック・リポーツに掲載された。(合田禄)

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