畑山敦子、木下こゆる
家族の介護や家事を担う子どもや若者は「ヤングケアラー」「若者ケアラー」と呼ばれる。その存在を把握し、支援につなげようという取り組みが始まっている。当事者が経験を語ったり集ったりする場も出てきている。
「おばあちゃんの世話で、勉強する時間がない」
横浜市の私立高校の女性教諭(44)は昨年春、受け持つ1年生の男子生徒からそんな告白を受けた。
両親は仕事などで忙しく、離れて住む祖母の介護を男子生徒が担っていた。洗濯などの家事や兄弟2人の世話もしていた。学校では勉強の遅れに加え、友達とのトラブルも起こした。
女性教諭はたびたび男子生徒と面談したが、見守るしかなかった。その後、祖母宅には介護ヘルパーが来るようになり状況は改善したが、「教師として何ができるのかわからなかった」と振り返る。
介護者を支援する日本ケアラー連盟は、家族の介護や世話の負担が手伝いの範囲を明らかに超え、時間を費やすことが常態化し、学業や私生活に支障が出ている18歳未満の子どもを「ヤングケアラー」(子どもケアラー)、18歳以上の若者を「若者ケアラー」と呼んでいる。
子どもや若者が介護するのは、高齢の祖父母や病気や障害のある家族だ。介護のほか、家事や家計を支える仕事をしている場合もある。
同連盟は昨年1~2月、新潟県南魚沼市教育委員会と協力して、教師を通じてヤングケアラーの実態調査をおこなった。市内の小中学校教師の6割にあたる271人から回答を得た。
2014年度に「家族の介護や世話をしているのではないかと感じた子がいたか」という問いに、12人が担任したクラスにいたと回答。17人はクラス外にいたと答えた。13年度以前も含めると回答者の4分の1にあたる68人が「いた」と答えた。子どもの学年は、中学3年から小学2年まで広がっていた。
そのうち65人に聞いたところ…
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