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特集(就活面接の裏側)

 2017年卒の大学生の就職活動が、3月から本格化します。今年は大企業の選考解禁が、昨年の8月から、6月へと前倒しされました。就職情報サイト「マイナビ」の吉本隆男編集長は「過去に例のない、超短期集中決戦になる」と話します。就職活動生が、まず2月にするべきことは何なのか、吉本さんに聞きました。

過密なスケジュール

 ――今年、企業の採用活動はどう変わり、就活生はどうなるのでしょうか。

 「就活生は、非常に過密なスケジュールで就職活動を進めなくてはならないでしょう。昨年は中堅・中小企業の選考が4~6月に分散して行われたあと、少し間を置いて、大手企業の選考が8月に集中しました。ですから、3月以降に中堅・中小の採用面接などでまずは経験を積み、それから志望する大企業に挑むことができました」

 ――就活を進めながら、準備を整えることができたわけですね。

 「そうです。しかし、企業に対して意向調査をしてみると、今年は現段階で、企業規模を問わず、多数の企業が4~6月にかけて選考開始・内々定出しを予定しているようです」

 ――中堅・中小と大企業の選考時期が、近づいてしまったわけですね。

 「今年の就活を『超短期集中決戦』と見込んでいるのは、こうした状況だからです。3月中に、企業の6割が選考の第一歩となる会社説明会を始める予定です。エントリーシートの結果通知も、昨年は3~5月にピークが分散していましたが、今年は3~4月に集中する予定で、前倒しの様相が強まっています」

 「説明会への参加、エントリーシート提出、面接と短期間にたてつづき、大半の学生はバタバタしてしまうのではないでしょうか。3月に入り、スケジュールだけが先に決まって、地に足がつかないまま進んでしまう危険性があります」

エントリーに乗り遅れるな

 ――そうならないため、2月に何をすればいいでしょうか。

 「まずは3月1日からのエントリーに乗り遅れないための準備を、しっかりとしてください。今の就職は、最初にエントリーしないと企業側から何の案内も来ません。一昨年は就活生1人あたり平均で90社余り、昨年は50社余りのエントリー申し込みがありました。最初の段階で乗り遅れると、スケジュールについていけないまま、どんどん選考が進んでしまう恐れがあります」

 「そして、企業研究です。全国の大学をまわって講演やセミナーを開いていますが、その中で参加している学生に志望企業を紙に書き出してもらうことがあります。すると、超有名企業5社をあげるのが精いっぱいという人も多い。紙は友達と交換してもらうんです。それから、手元に渡ってきた紙に、自分の知っている企業しか書いていなかったら、ビリビリやぶいてもらう」

 ――狙いはなんでしょう。

 「学生の皆さんに、いかに一部の大企業しか知らず、みんなと重なっているか痛感してもらうためです。とにかく視野を広げて欲しい。業界のトップ企業だけでなく、もう少し規模の小さい企業も研究して欲しい。各社を比較することで、本命企業への理解も進みます。しかも、真剣な学生は志望企業を徹底的に調べています。就職四季報や業界地図などの市販品だけでなく、今は企業が充実した『CSRリポート』や『統合報告書』を公表しています。日々、商品や事業について、投資家向けのIR資料もホームページで発表しています。志望企業の店舗に足を向け、商品を手にとるのもいいでしょう。企業研究に生かせる資料はたくさんあることを覚えておいてください」

 ――面接でも役立ちますか。

 「企業への理解が深まれば、志望動機を深めることができます。この点は面接を通るには欠かせません。また、机上の勉強ばかりではなく、やはりOB・OGに会うことも、おすすめしています。実際にいろいろ会うと本音ベースで話をしてくれると思います。その話に共感できれば、説得力のある志望動機につながるでしょう」

 ――OB・OG訪問の際、気をつけることは何でしょうか。

 「企業研究や自己分析は決して最終目標ではありません。大事なのは、自分にあった企業を見つけることです。例えば女性ならば、育休や、その後の復帰のしやすさも気になると思います。制度が整っていても、実際どのくらい社員が利用しているのか。こうした実態は、OB・OG訪問で聞くと、率直な話を聞くことができます。そうした活動を積み重ねて、自分なりの言葉で納得できる志望動機を作り上げて欲しいと思います」

 「また、大学を活用する手もあります。就活を成功させる学生は、大学のガイダンスに行っている人が多いんです。優れた内容のものがたくさんあるし、こまめに参加することで就活のペースがつかめる。エントリーシートも、友人どうしで見せ合うのもいいですが、できれば社会人に見せて意見を聞いて欲しい。大学によっては、就職課でエントリーシートなどを添削してもらえる例もあります」

企業の採用意欲は旺盛

 ――最後に、企業側の採用意欲はいかがですか。

 「当社の調査では、昨年に比べて『増やす』方針の企業が約18%を占め、『減らす』と答えた約7%を大きく上回りました。特に小売りやサービス・インフラ、建設、通信などの分野で『増やす』が『減らす』を大きく上回っています。採用意欲は昨年に増して、強いと言えると思います」(信原一貴)

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