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 膝(ひざ)の「半月板(はんげつばん)」について聞いたことがある人は多いと思いますが、「円板状半月(えんばんじょうはんげつ)」という言葉は少し聞き慣れないかもしれません。

 通常、半月板損傷というと、スポーツを行っている10~20代の若年者や中高年に多いのですが、この円板状半月は子供の半月板損傷の原因となります。子供が幼稚園や保育園、小学校で「長く歩く」「走る」「縄跳びをする」など、ちょっとした活動をした後で膝の痛みを訴える場合は要注意です。

 半月板は太ももの骨(大腿骨(だいたいこつ))とすねの骨(脛骨(けいこつ))の間にあり,膝の動きをスムーズにする働きをします。クッションの役割もあり、膝の一部分に大きな負担がかかることを防ぎます。

 半月板は膝の内側と外側にそれぞれ一つずつあり、通常、三日月型をしています(図1)。生まれつき、半月または円板の形をしている場合があり、これを円板状半月と言います(図2)。

 円板状半月はほとんどの場合、両膝の外側の半月板に発生します。欧米ではまれですが、日本人では比較的多いとされています。病気ではなく、その人の体の特徴と考えられ、生涯を終えるまで特に症状が出ない人もいます。無症状の人は特に手術の必要はないと考えられています。

 しかし、円板状半月は通常の半月板よりも大きく厚いため、損傷しやすく、小児期に特にケガをしなくても膝の痛みやひっかかり感、膝が伸びなくなるといった症状が出る場合があります。

 診断は、診察やX線検査、MRIによって行います。症状が続く場合には手術治療を行います。

 従来、半月板を全て切除する手術が行われていましたが、半月板を切除することによって軟骨の変性がすすみ、膝が内側に湾曲する、いわゆるX脚といった足の変形が生じる場合があるため、いまは全てを切除しないほうがよいとされています。

 最近では、関節鏡を用いて通常の半月板のような形になるように、円板の真ん中の部分をくりぬくように切除する「形成的部分切除」を行います(図3)。この手術で傷んだ部分が切除されればそのまま終わりですが、傷んだ部分が残っている場合には、糸をかけて縫う縫合術を追加して行います。

 円板状半月では軟骨の病気である「離断性骨軟骨炎(りだんせいこつなんこつえん)」が発生するとされています。受診時に、円板状半月とともに見つかる場合もありますが、手術後しばらくしてから発生する場合もあります。

 離断性骨軟骨炎でも膝の痛みやひっかかり感などの症状が出る場合があります。若年者の早期病変であれば手術をしなくても治る可能性がありますが、症状が改善しない場合や早期のスポーツ復帰を希望する場合には手術をすることもあります。

 これらも含めて、円板状半月の手術後には、長期の経過観察が必要です。子供さんが膝の痛みを訴える場合には一度、整形外科で相談することをお勧めします。

<アピタル:弘前大学企画・骨と関節の病気 予防と治療>

http://www.asahi.com/apital/healthguide/hirosaki/(弘前大学大学院医学研究科整形外科学講座助教 木村由佳)