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 「店舗の段差は何センチか、何段か。答えられるかどうかは大事です。車いす利用者には段差が1段か2段かで、雲泥の差があるからです」

 今月1日、東京都千代田区の三井住友銀行。約300人の行員に語りかける言葉が熱を帯びる。顧客対応力向上のための研修の一環で、講師として、高齢者や障害者と向き合う心構えを伝えた。

 障害の有無や年齢、国籍にかかわらず誰もが使える建物や製品のデザインを、ユニバーサルデザインと呼ぶ。ミライロは、そのコンサルティングを手がけるベンチャー企業だ。立命館大学の学生だった6年前、友人と設立した。

 企業理念は「バリアバリュー」。一見マイナスに見える障害(バリア)を、社会やビジネスの価値(バリュー)に変えていこうという独自の視点だ。「高さ106センチの車いす目線だからこそ、できること、伝えられることがある」。自身をはじめ、社員の3割は何らかの障害がある。当事者の視点を生かして、誰もが使いやすい環境をつくりだす。それが夢だ。

 「あるきたい いつかみんなと はしりたい」。幼いころ書いた詩の一節だ。生まれつき「骨形成不全症」という病気のため、骨がもろい。父も弟も同じ病気だ。骨折と手術の回数はすでに20回以上。治療すれば足で歩けるようになる。そう信じて高校を休学、長期のリハビリにも耐えた。だが「歩きたい」という夢は生涯かなわぬことを医師に告げられた。

 幾度も「死」が脳裏をよぎった。吐き気がするほどの絶望の先に、「歩けないからできること」をするという道が開けていた。

 すでに日本は4人に1人が高齢者という時代を迎えている。障害のある人、ベビーカーの乳幼児もいる。「ユニバーサルデザインの視点がなければ、消費者には選ばれない」。飛び込みで企業をまわって、そう訴えた。大手レジャー施設、ホテル、鉄道会社、大学。施設の改善提案やマナー研修、バリアフリー地図作製など、取引先は300を超えた。

 昨年、日本財団パラリンピック…

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