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 徘徊(はいかい)中に列車にはねられた認知症の男性の遺族が、鉄道会社から損害賠償を求められた裁判の行方が注目されています。一、二審では、徘徊は他人に害を及ぼす危険性がある行為との認識が示されましたが、そうなのでしょうか。3月1日に言い渡される最高裁判決を前に、徘徊について考えます。

 「いったん徘徊した場合には、どのような行動をするかは予測が困難であり(略)他者の財産侵害となり得る行為をする危険性があった」

 名古屋高裁は徘徊について判決でこう指摘した。名古屋地裁判決も、線路や他人の敷地に侵入したり、道路に飛び出したりする結果、「他人の生命、身体、財産に危害を及ぼす危険性」について言及している。

 最高裁判決でも、こうした見方が示されるのかどうか、心配する介護関係者は少なくない。

 認知症対応型のデイサービス「ケアサロンさくら」(神奈川県鎌倉市)は、利用者18人のうち12人が徘徊したり行方不明になったりした経験がある。そうした利用者も、心身の機能維持と地域交流のため、みんなで一緒に近所を毎日歩く。商店街であいさつを交わし、公園で子どもたちとサッカーをして遊ぶ。

 認知症の人や家族、支援者と市民の交流を進める「かまくら認知症ネットワーク」が定期的に開く散策イベント「かまくら散歩」を楽しみにしている人もいる。「さくら」を運営する稲田秀樹さんは「徘徊するような人は外に出てはだめ、家や施設に閉じ込めておきなさいと受け取られる判決を出してほしくない。外出行事まで『危ない』と思われる風潮になれば、介護の世界はゆがんでしまう」と心配する。

 不必要な閉じ込めを避けるため、できるだけ鍵をかけない介護事業所も数多くある。「介護労働を生きる」(現代書館)などの著書があり、いまはデイサービスで認知症高齢者の支援をしているライターの白崎朝子さんは「最高裁の判決によっては、私たち介護職員は利用者を監禁し管理する『牢獄の看守』になるしかない。判決がケアの未来を決める」と話す。

■「徘徊」の言葉、使わない…

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