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 すし職人を専門に養成する料理学校のコースが人気だ。世界的なすしブームを背景に、海外ですしシェフを目指したり、他の飲食業から転身を試みたりと動機は様々で、短いコースだと2カ月で卒業できる。すし職人の世界では師匠に弟子入りして修業するのが一般的だが、新たな人材育成の場となれるのか。

 5日、大阪市中央卸売市場(大阪市福島区)に近いビルで、5月に開校する「東京すしアカデミー」大阪校の説明会があった。参加者は20~50代の14人で、「海外の就職先はどこが狙い目ですか」などの質問が相次いだ。このうち約半数が海外での就職希望者だ。

 同アカデミーは2002年に東京で開校。脱サラの中年男性、主婦、元イタリアンシェフ、元バーテンダーらが通い、卒業生は約3千人。うち約半数が欧米やアジアなど海外約50カ国に渡り、すし店や日本料理店に就職したという。

 大阪校は新宿、シンガポール、築地に続く4校目。市中央卸売市場に入る卸会社の子会社が運営主体となり、ベテランのすし職人が指導する。2カ月コースは定員10人。週5日、魚のさばき方など調理の基本から教え、食文化や大阪発祥とされる「押しずし」の作り方など「大阪色」を意識した授業を検討している。

 説明会に参加した20代の女性は「すし店で見習い中だが、一人前になるには師匠の技術を盗むしかない。学校で先生に何でも聞きたい」。店を持ち、外国人にすし文化を説明できる職人になるのが夢だ。

 アカデミー新宿本校の後藤幸子校長は「すしブームですし職人が足りないのが現状。関空からアジアへ、鮮魚とともにすし文化を担うすし職人も送り出したい」と期待を込める。

 ほかに、「飲食人大学」大阪校の寿司(すし)マイスター専科の教室も卸売市場近くにある。14年に3カ月制のコースを開設。年4期、定員約50人は毎回ほぼ満員で、15年に東京校、今春は名古屋校が開校し、近く韓国でも開く予定だ。市場でせりを見学し、買い付けた魚を調理するなど、「実践」を重視している。

 東京・世田谷で4月に開校する「東京すし和食調理専門学校」は、国内で初めて認可を受けたすし・和食の専門学校だ。運営主体は靴職人などを養成する学校法人。卒業すれば調理師免許が取得でき、留学ビザで修学できるため、定員50人のうち3分の1がアジアを中心とした留学生という。

 担当者は「物作りで培った職人のノウハウをすし職人の養成にも生かしたい。東京五輪に向けてすしブームはさらに広まる。人材提供に一役買いたい」と意気込む。(村上英樹)