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 懐かしきかなワトソン! 君は移りゆく時代に流されぬ一つの岩だよ。

 (Good old Watson! You are the one fixed point in a changing age.)

 シャーロック・ホームズ「最後のあいさつ」のセリフです。シャーロキアンの端くれだった私の記憶もかなりサビついていますが、このセリフは原語でそらんじられるくらい好きです。引退後のホームズが久々にワトソンを呼び出してドイツのスパイ逮捕を手伝わせた後、迫り来る戦争(第1次世界大戦)の予感を「東の風が来るね」という言葉で表したところ、我らが素直なワトソン君は「そんなことはないだろう、ひどく暖かいじゃないか」とボケて返すので、冒頭のセリフと相成ります。コナン・ドイルがシリーズ最終回のつもりで書いたこの幕切れ。発表時(1917年)の読者は、ホームズ譚(たん)が描き出してきた戦争前の古き良きビクトリア朝の世に思いをはせたことでしょう。変わる時代の中で揺るがなかった名探偵とついにお別れか、とも。あるいは「またどうせ復活するだろ」と思ってたのかな(実際そうなるんですけど)。

 さて時は流れて百年後、「古き…

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