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 いじめや虐待、不登校……。子どもたちの家庭や学校での深刻な悩みを曲にして歌う男性ミュージシャンの楽曲に、10代の少女たちを中心に共感の輪が広がっている。千葉県我孫子市在住の悠々(ゆうゆう)ホルンさん(29)。自らを「子どものSOSソングライター」と呼ぶ。

 ホルンさんは小学生と中学生のときに2度、死ぬことを真剣に考えたという。複雑な家族関係を背景に「家の中に居場所がないと感じていた」。10代のころから、音楽を聴き、歌い、作ることが心の支えになっていた。

 そうした実体験をもとに曲をつくり、ホームページで公開。すると、ホルンさんと同じように、心に傷を持った10代の少女らを中心に反応が寄せられるようになった。メールや手紙で届くメッセージには、いじめや虐待、自傷行為などさまざまな悩みも書かれていた。

 この数年間に北海道から沖縄まで約400人から相談を受けてきたという。そんな子どもたちの心の叫びを音楽や動画で代弁して発信し、悩める多くの子どもたちの支えになってきた。

 ホルンさんは2月26日、福岡県糸田町の糸田中学校で、卒業を目前に控えた3年生約70人に自身の体験を交えて語りかけた。同校の村上きぬよ校長が生徒たちとの会話から知ったホルンさんに手紙を書いたのがきっかけで講演が実現した。

 生徒たちに「みなさんは居場所がありますか」と問いかけたホルンさんは、「居場所」と「幸せとは何か」について、やさしく語りかけた。

 ♪黙っていても

 そばにいればそれだけで

 安心出来る場所

 帰りたいな

 そんな歌詞で始まる自作の「おかえり」を披露したホルンさんは講演の終盤、「この先、選択の連続です。その時にどうやって選択すればいいか。自分のことを嫌いにならない選択をしていってほしい」と呼びかけた。

 講演を聴いた藤井元さん(15)は「居場所はどこかにあるという言葉が心に残った。高校に進んでも、自分の力を発揮していきたい」と話した。

 ホルンさんは、自身が運営するホームページ「子供科大人の教科書」(http://music.geocities.jp/u2horun/kodomo.htm別ウインドウで開きます)で動画を通して子どもからの「SOS」を代弁し、親がどう対応すべきかについても発信を続けている。(大矢雅弘)