[PR]

 安倍政権が成長戦略に掲げる「攻めの農業」を後押しする新たな税制が4月に始まった。農地集約に協力すれば「減税」、協力しなければ「増税」となる異例の税制だ。

 成田空港に近い千葉県香取市。田畑の一角にある工場内で機械が音を立てていた。ニンジンは5センチの長さに切られ、次の工程で千切りにされて出荷される。最後はコンビニ大手ローソンの弁当のおかずになる。

 昨春、2億円でこの工場を建てたのは「香取プロセスセンター」(本社・香取市)。ローソンが出資し、地元で20ヘクタールの畑を耕作する「ローソンファーム千葉」を母体とする会社だ。センターとファームの社長を兼ねる篠塚利彦さん(31)は「農業は天候に左右されて価格が不安定だが、ローソンが買うので安心して生産できる。もっと広げたいが、この辺りの農地は取り合いなので確保が難しい」と話す。

 より広い農地で「もうかる農業」をめざす企業や農業法人は増えているが、多くの場合、農地を思うように確保できない壁に突き当たっている。

 「畑借ります」。鹿児島県志布志市の大手農業法人「さかうえ」のトラクターやトラックには電話番号とともに、こんな文字が書いてある。100ヘクタールの畑でキャベツやジャガイモを作るが、法人から車で30分ほどの範囲に点在し、まとまった畑は少ない。

 住友商事は農地集積による事業展開のノウハウを得ようと2010年、さかうえに20%出資したが、農地が思うように集まらず、出資を10%に減らした。さかうえの坂上康博事業部長(46)は「農家の高齢化が進んでいるが、農地は誰にでも貸すわけではない。狭い畑でも大切に耕していれば、それを見て『自分の畑も耕して欲しい』と声がかかる」と期待する。

 こうした農地集積を後押しする新たな税制がこの4月から始まった。耕作していない農地を、都道府県ごとにある「農地中間管理機構」に貸せば17年度以降、固定資産税が最長5年間、半分に減税される。貸さない場合は2倍近くに増税となる。農地集約に協力するか否かで減税にも増税にもなる「アメとムチ」のような税制だ。

旗を振るも「骨抜き」決着

 この税制を求めたのは、内閣府の規制改革会議(議長・岡素之住友商事相談役)。経営者や学者らが、安倍政権が掲げる「岩盤規制の打破」に向けた具体策を提言する組織だ。とくに規制が多い農業分野は同会議の「標的」の一つで、農協改革でも旗振り役を担ってきた。

 昨年5月に開かれた同会議の会…

有料会員限定記事こちらは有料会員限定記事です。有料会員になると続きをお読みいただけます。

有料会員限定記事こちらは有料会員限定記事です。有料会員になると続きをお読みいただけます。

有料会員限定記事こちらは有料会員限定記事です。有料会員になると続きをお読みいただけます。

有料会員限定記事こちらは有料会員限定記事です。有料会員になると続きをお読みいただけます。

980円で月300本まで有料記事を読めるお得なシンプルコースのお申し込みはこちら