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 世界的IT企業グーグルの開発した囲碁の人工知能(AI)がプロ棋士を破ったことが話題となる中、日本の開発者や研究者、「ニコニコ動画」などを運営するドワンゴ、プロ団体の日本棋院がタッグを組んで、グーグルを上回る最強のAIの開発に取り組むことになった。

 関係者が1日、「DeepZenGo(ディープゼンゴ)プロジェクト」と題する計画を発表した。ドワンゴの川上量生会長は「半年から1年かけて、(グーグルのAI)アルファ碁に対抗できるソフトの開発をめざす」と話した。

 コンピューター囲碁は近年、アマ六段程度にまで実力が向上していたが、プロに勝つにはあと10年はかかるといわれていた。しかし1月、アルファ碁が初めてプロ棋士を破ったことが公表され、ゲーム界の「最後の砦(とりで)」ともいわれる囲碁の分野で、コンピューターが人間を超えたかどうかに注目が集まっている。今月9日にはアルファ碁と、世界最強の一人・李世●(「石」の下に「乙」、イセドル)九段(韓国)の対決が始まる。

 開発のベースとなるコンピューター囲碁ソフト「Zen」は、アルファ碁が登場するまで世界最強プログラムの一つだった。Zen開発チーム代表の加藤英樹氏は「向こう(アルファ碁)も(今後)強くなる。その部分の見積もりが難しいが、半年後に追いつくことは可能だとは思っている」と語った。

 開発メンバーは、Zen開発者の尾島陽児氏と加藤氏、AI研究者の松尾豊氏(東京大大学院工学系研究科特任准教授)、将棋ソフト「PONANZA(ポナンザ)」開発者の山本一成氏で、東大の学生数人も開発を支援する。ドワンゴは、ハードウェアや開発スペースなどの環境を提供するとともに、同社の人工知能研究所が支援する。日本棋院は「協力」として加わった。(伊藤衆生)