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南十字星の下で

 オーストラリア政府が2月25日、「2016年 国防白書」を発表した。

 今回の白書は13年に当時の労働党政権が出して以来3年ぶりで、20年後を見据えた長期的な国防方針が188ページにわたって記されている。別文書として120ページの「総合支出計画」と、76ページの「国防産業政策綱領」も発表された。3冊合わせて400ページ近い「大作」になった。

 3年前の選挙で保守連合が労働党から政権奪取したころは、「国防白書は15年の早い時期に出るだろう」と言われていた。ところがその後、国防相が失言で辞職したり、与党・自由党の内紛で首相がアボット氏からターンブル氏へ代わったりして、発表がどんどん遅れた。

 ようやく発表された今回の白書だが、日本にとっては、受注に手を挙げている次期潜水艦導入計画についての言及が気になるところだ。さっそく分厚い文書を読み、安全保障や防衛分野に詳しい国内の専門家たちに「第一印象」を中心に聞いてみた。

 内容を短く表現すると、「オーストラリア国軍の老朽化した軍備をかなり熱心に近代化し、規模としては穏当な拡大を目指す方針」ということになるだろう。あっと驚くような文書ではないけれど、資源ブームが去って厳しい最近の経済状況のなかで、可能な限り軍備の強化を盛り込んだという印象だ。

 注目の次期潜水艦については、アボット政権時代に「8~12隻」と含みを持たせていたのが、「12隻」を建造すると明記された。支出計画には、維持管理などを含めない建造だけでも「計500億豪ドル(約4兆円)」を超える資金を調達するとされている。ほかにも、フリゲート艦9隻の整備や沿岸警備艇12隻など、海軍強化に力を入れていることがわかる。

 元オーストラリア国防省高官のロス・バベッジ氏は「予想外の軍備調達計画が結構、盛り込まれていた」と話す。「特に意外だったのは、これまで8機としていた哨戒機P8Aを15機に増やしたこと。また、地対艦ミサイルの導入にも言及しているので、日本の軍事業界の関心を集めるかもしれませんね」

 白書では、国内総生産に占める国防費の割合を現在の約1・8%から2%に上げるのを「20年度まで」としており、これまでの23年度までから3年前倒しすることになる。これによって20年度の国防費は、424億豪ドル(約3兆4千億円)に達するという。

 実は、12隻の次期潜水艦計画…

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