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 サイバー攻撃を受けて企業や大学の情報が外部に流出した被害が、警察が把握しただけで昨年1年間に27件あった。昨年5月の日本年金機構の個人情報流出を含め、27件中12件はウイルスを仕込んだメールをパソコンに送りつけて情報を盗もうとする「標的型メール攻撃」だった。

 警察庁が3月17日に発表した。警察庁は国内の先端技術企業など(1月現在7333団体)とサイバー攻撃について情報共有するネットワークを築いている。このネットワークを通じて昨年認知した標的型メール攻撃は前年の2・2倍の3828件で、ウイルスファイルを添付したものが大半の3815件だった。

 ウイルスファイルの53%はWord(ワード)文書形式で、前年の2%から大幅に増えた。圧縮ファイル形式は前年の97%から40%に半減した。送信元のアドレスに「scanner@」や「noreply@」と付けて職場の複合機からの送付を装ったり、物品の発送代金の請求を装ったりした手口が目立った。送信先のメールアドレスの89%はインターネット上で公開されていないものだった。

 一方、昨年9月以降、中央省庁や地方自治体、報道機関、空港、水族館などのホームページにアクセスを集中させて閲覧しづらくする「DDos(ディードス)攻撃」が多発した。警察庁によると、昨年末までに国際的ハッカー集団「アノニマス」を名乗る者がインターネット上に58団体について犯行声明とみられる書き込みをした。被害は今年も続いており、これまでに国内の約80団体に増えているという。(八木拓郎)