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第6章:1

 青森市の津軽海峡フェリー埠頭(ふとう)の近くに、青森ジョイフル・チャペルはある。

 やさしいクリーム色の建物から、真っ白な十字架が天に向かって伸びる。プロテスタントの教会だ。

 3月20日、日曜日。午前11時から礼拝が始まった。キーボードやベースギター、ギター、ドラムなどフルバンドの演奏で、集まった約50人が歌う。

 ♪この世の民が いま立ち上がる~♪

 この教会の牧師、澁谷友光さん(52)は2009年、青森県内で初めて行われた裁判員裁判で、裁判員を務めた。

 澁谷さんは、この日の説教で、マタイの福音書に出てくる「この人を見よ」という言葉を取り上げた。

 「同じものを見るにしても見方によって全く違うものに見える、ということについて話したい」

 キリストが十字架にかかるまでに6回の裁判を受けたことを話す中に、「私も裁判員をしたが、被告人は過去も現在も習慣も好みも明らかにされ、丸裸にされてしまうと感じた」などと自らの裁判員の体験で感じたことを交えた。そのうえで、キリストを十字架にかけた裁判官や宗教指導者たちが妥協や憎しみに動かされたことなどを話した。

 「今日は、ものの見方がさまざまであることを学んだ」などとお祈りの言葉を締めた。

 まさに、裁判員の体験は、澁谷さんにとって、ものの見方がさまざまであることを、これまでに気づかなかったことを学んだ場だった。

 「最高裁判所」と印刷された封筒が澁谷さんのもとに送られてきたのは08年12月。何の書類かわからず、開封した。中から、裁判員候補者の名簿に載ったという通知が出てきた。

 「そういえば、裁判員制度が始…

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