拡大する写真・図版 福島の少女が子豚と別れる場面。絵はイラストレーターのささめやゆきさんが担当した=岩崎書店提供

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 30年前の教訓は生かされたのか。5年前の原発事故で、私たちは何を学んだのか。旧ソ連のチェルノブイリ原発事故(1986年4月)と東京電力福島第一原発事故(2011年3月)をつなぎ、考えてみる。絵や活字、写真を通して。

少女と子豚、紡いだ物語

 「忘れないで。繰り返さないで」。被爆地・広島の児童文学作家・中澤晶子さん(63)は、こうした思いで児童書「こぶたものがたり チェルノブイリから福島へ」(岩崎書店、税別1300円)を手がけた。

 前編は「ターニャ」という少女と、ターニャが大切に飼う子豚「まるまる」の物語。のどかな日常はチェルノブイリの原発事故で一変し、住民は避難する。

 ――さんざんまっても、だれも帰ってはきませんでした――

 農場に残された「まるまる」はターニャらの帰りを待ち、歳月が過ぎていく。

     ◇

 福島編では「なつこ」と子豚「もも」が離ればなれに。一時帰宅で自宅に戻った「なつこ」の母親は汚れてしまった子豚が「もも」と分からず、「あっちへ行って」と声を荒らげてしまう。じつは、母親は20年以上前に日本へ来たターニャと知り合い、手紙をもらっていた。そこには、こう書かれていた。

 ――どうぞわたしたちのことを忘れないで――

 母親はこの手紙を見つけた。そ…

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