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(取材余話)仏教と味噌のつながりは…

 和歌山に赴任した2年前、スーパーで金山寺味噌を手に取った。長野県出身の自分にはあまり縁のなかった食べ物だ。その時の感想は、「へえ~、ちょっと甘いけどご飯は進むな」というぐらいだったと思う。

 ただ、今回の取材対象に金山寺味噌を選んだのは、名前からしていろいろな歴史物語がありそうな予感があったからだ。

 金山寺味噌発祥の地といわれる和歌山県由良町の興国寺を訪れると、山を背負った風情のある立派なお寺だった。金山寺味噌はしょうゆのもとになったともされるだけに、寺はいまも金山寺味噌やしょうゆの製造業者が訪れる聖地なのだという。

 副住職の鈴木裕禅さんに、いわれを尋ねた。金山寺味噌を伝えたという覚心は、興国寺の前身である西方寺の開山。なんと信濃国(長野県)の出身で、高野山などを経て宋に渡り、修行した杭州の径山(きんざん)興聖万福禅寺やその周辺でみそ作りを学んだらしい。1254(建長6)年に帰国して、西方寺で禅の教えを説くかたわらみそを作り、周辺の住民にも伝わったらしい。

 当時の金山寺味噌がどのようなものだったかは、実はよくわからない。興国寺は、豊臣秀吉に攻められて、1585(天正13)年に大半が燃えてしまったためだ。

 覚心は仏教を学びに行ったはずなのに、どうしてみそ作りなど覚えてきたのか。「今の発想で考えると少しおかしくなる」と鈴木さん。「素朴な時代で、自分たちで何でもしないといけない。生活全体が修行ですから、知らないうちに身につけたのでしょう」と話す。

 ちなみに覚心は、中国から尺八の名人4人を連れ帰って、全国に広めたので、興国寺は尺八と虚無僧の発祥でもあるそうだ。

 「禅は、難しいことを考えるのをやめて、捨てていくのが勉強です。生きるのに最低限必要なことって何です?」と鈴木さんに尋ねられた。

 みその話をしていたので、私が…

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