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 日本新聞協会と全国の会員新聞・通信・放送社は、4月6日の「新聞をヨム日」から12日までの1週間を「春の新聞週間」としている。新しい生活が始まるこの時期は、新聞の購読を始める絶好の機会。新聞への思いや、活字に触れることの重要性について、俳優の吉本実憂さんと芥川賞作家の羽田圭介さんに話を聞いた。読んで幸せな気分になった新聞記事とその理由を募集した「HAPPY NEWS 2015」の大賞には、朝日新聞に掲載された記事について思いを寄せた横浜市の川村玲子さん(62)が選ばれた。

 数十年前、幼子だった娘と一緒に怒鳴られた自分も救われた――。「HAPPY NEWS大賞」を受賞した川村さんは記事を読み、そんな気持ちになった。

 まだ乳児だった娘を抱えてバスに乗った時のこと。「おなかをすかせる時間だ」と心配しながらも、バスに乗った。しばらくして娘が泣き始め、乗客の男性から怒鳴られた。「ごめんなさい」。心の中で、何度も繰り返した。

 自身の経験から、記事に出てくる母親の焦る気持ちが痛いほどわかった。そして、運転手の言葉がどれだけ母親を安心させたか。その情景が目に浮かぶようで幸せな気持ちになった。

 車内のミラー越しに語りかけた運転手、鈴木健児さん(47)は「お母さんの焦りをひしひしと感じた」と振り返る。乗車歴21年のベテラン運転手。「今後バスや電車を使うことをためらうんじゃないかと心配になって。みんな泣いて育ったんですからね」

 川村さんの新聞購読歴は40年以上。人情の機微や街の出来事を描いた記事をよく読む。「ほっとするニュースやすてきな笑顔の写真に出会える新聞が好き」(村上友里)

掲載された記事

 8月末の午後。15人ほどが乗った横浜市営の路線バスの静かな車内で、母親の腕に抱かれた赤ちゃんがぐずり始めた。10分が経っても泣きやむ気配はない。そんなとき、明るい口調のアナウンスが車内に流れた。

 「お母さん、大丈夫ですよ。赤ちゃんですから気になさらないでください。きっと眠いか、おなかすいているか、おむつが気持ち悪いか、暑いかといったところでしょうか」

 このやりとりがネットに投稿されると、一気に拡散。「神対応」として話題になった。

(昨年9月4日、朝日新聞横浜・川崎版に掲載)