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 認可保育所が自治体の定期監査で、保育士の数が基準を満たしていない時間帯があると指摘される事例が、東京都と全国11の100万都市で2012~14年度に計132件あったことがわかった。安全面などで国の基準に基づいた認可保育所でも、深刻な保育士不足や保育の長時間化で、シフトのやりくりが難しくなっている。

 認可保育所は運営基準を満たしているかどうか、児童福祉法に基づき、自治体の監査を定期的に受けている。朝日新聞がそれぞれの自治体に監査結果を尋ねた。

 指摘があったのは、東京都と仙台、さいたま、横浜、川崎、名古屋、京都、大阪、福岡の8市。札幌、神戸、広島の3市はなかった。毎年、全施設を訪問して監査する自治体もあれば、数年に1度の自治体もあり、自治体間の単純比較はできないが、東京(47件)、川崎(29件)、福岡(24件)、横浜(11件)が多かった。

 東京都は12年度の11件、13年度の10件が、14年度は26件に増えた。朝や夕方に不足する事例が多かったという。都の担当者は「保育所が増え、保育士の確保が難しくなっているからではないか」と話す。

 福岡市では、13年度からそれまで口頭で指導していたケースも文書で指摘するように監査方法を変え、指摘が12年度の1件から13年度は9件、14年度は14件になった。担当者は「保育時間が長くなり、シフトのやりくりが難しいケースがあるようだ」と話す。

 保育施設の監査や評価の問題に詳しい池本美香・日本総研主任研究員は「親の側には、認可保育所なら質がチェックされているから安心だという信頼感があるが、事前に実施を通告する監査で、これだけの数の指摘があることは驚き。保育士不足の影響が広がっている」とみる。「ただ、監査の頻度や方法はさまざまで、自治体が実態を把握しきれていないのも現状だ。同じ基準で評価し、情報公開する仕組みが必要だ」と話す。(仲村和代)