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 「少子化を解決せよ」の大合唱、これから産みたい女性にとっては追い風が吹いているようだが、何かモヤモヤする。外野から「産め産め」言われると、産みたい気持ちもなえそうだ。産むのは誰のためなのか。自分、家、社会、国?

 2月、大阪市立中学の校長が全校集会で「女性にとって子どもを2人以上産むことは、仕事でキャリアを積む以上の価値がある」と発言、「価値観の押しつけだ」「正論だ」と賛否両論が起きた。昨年9月には菅義偉官房長官が芸能人カップルの結婚に際し、「この結婚を機に、ママさんたちが一緒に子どもを産みたいとか、そういう形で国家に貢献してくれたら」と発言し、波紋を呼んだことも記憶に新しい。

 安倍政権は「1億総活躍社会」を掲げ、「希望出生率1・8の実現」を打ち出している。そんな中、女性誌「FRaU」3月号に、女優の山口智子さん(51)が子どもを産み育てない人生を選んだことに「一片の後悔もない」と語ったインタビューが掲載されると、大きな反響があった。編集部に届いた声は「子がなくても夫婦で幸せに生きていけると勇気づけられた」など支持が多かったが、ネットでは「日本は少子化で滅亡寸前なのに」とたたく人もいた。

 都内でトークイベント「女は子供を産まなければ一人前と扱われないのか?」を企画した美術作家の柴田英里さん(31)は、冒頭で山口さんの言葉を紹介。「産まない女は産む女に見合う特別な仕事をしないといけないのか」と投げかけた。

 レズビアンでタレントの牧村朝子さん(28)は「親に社会貢献のため産んだと言われたら気持ち悪い」。作家の中村うさぎさん(58)は「人の価値は社会に役に立ったかで決まるものではない」と発言した。会場からも「1億総活躍と言われ、産んでいないと独身税を課されても仕方ないかのようだ」という意見が出た。

 生殖はいつから「国・社会のため」と結びつけられるようになったのか。

 大阪府立大学の田間(たま)泰子教授(家族社会学)によると、明治期に富国強兵を担う国民が多数必要だという発想が生まれ、戦時中の「産めよ殖やせよ」につながっていく。一方ベビーブームを経た1950年代には、戦前のように国土を増やせない以上、養える範囲に人口を抑えようと産児制限が奨励された。戦後の貧困や、障害者らを差別する優生思想を背景に、政治・行政と草の根活動の両輪で避妊運動が広がった。

 一転、人口減が現実味を帯びた90年代以降は、経済の停滞などへの懸念から少子化が問題視される。

 「産むことをめぐる国と個人の関係は、その時代に何が『国の繁栄』とされるかによって左右される」

■子育て家庭…

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