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 大手銀行が、金融機関や機関投資家など「プロ」の預金口座の一部で手数料を取る検討を始めた。日本銀行のマイナス金利政策で各行の収益が圧迫されるため、費用を転嫁する。ただ、個人や一般の企業の口座に手数料を課すことには慎重姿勢を変えていない。

 3メガバンクは、海外の金融機関が自行に開く決済用の円預金口座に対し、手数料を課す方針。三井住友銀行は、一定額以上のお金を預ける海外の金融機関に対し、年0・1%程度を上限に手数料を課す交渉を始め、4月分から導入する予定だ。対象の1千件超の口座のうち、手数料を取る大口の口座は数十という。

 三菱東京UFJ銀行やみずほ銀行も同様の手数料を検討している。決済用の円預金口座に預金が増えることに伴い、各行が日銀に預ける当座預金への利払いが増えるのを防ぐ狙いだ。

 日本の大手行も海外の金融機関に現地通貨建ての口座があり、互いに海外送金の決済などに使っている。マイナス金利政策で先行する欧州の金融機関はすでに日本の大手行の口座に手数料をかけている。

 一方、三菱UFJ信託銀行の池谷(いけがや)幹男社長は5日の朝日新聞の取材で、金融機関同士の取引について「特段の事情がない限り、(手数料を)いただくことはあり得る」と語った。

 同行など大手信託銀行は機関投資家などから預かる運用資金の一部で年0・1%を上限に手数料を取る方針で、今後、地方銀行などの口座に適用範囲を広げる可能性に言及したものだ。

 ただ、各行とも手数料の議論はあくまで「プロ同士の取引」(メガバンク幹部)が対象とし、現時点では企業や個人の口座で手数料をとることには慎重だ。(久保智、土居新平)