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 パナマの法律事務所の内部文書から、タックスヘイブン(租税回避地)の英領バージン諸島に妻が会社を保有していたことが明らかになったアイスランドのグンロイグソン首相が5日、辞任の意向を示した。多くの政治家や著名人の名前が挙がった「パナマ文書」をめぐり、一国の首脳が政治責任を取るのは初めて。

 ロイター通信などによると、与党・進歩党の副党首であるヨハンソン漁業・農業相が、首相の辞任の意向を明らかにした。

 朝日新聞が提携する「国際調査報道ジャーナリスト連合」(ICIJ)が膨大な量の内部文書を分析して報じた。その内容によると、グンロイグソン氏は、金融危機前の2007年に英領バージン諸島に妻と共有名義で設立した会社「ウィントリス」を通じ、アイスランドの大手3銀行に投資。国会議員に当選した09年中に自身の会社の持ち分すべてを妻に1ドル(約110円)で譲渡したが、その間に保有資産として申告していなかった。

 アイスランドは08年に起きた世界的な金融危機で国内経済が破綻(はたん)し、現在も急激な資本流出を防ぐための資本規制が続いている。ウィントリス社が投資した大手3銀行も倒産したが、その手続きの中で同社は3行に計約400万ドル(約4億4千万円)の資産保有を主張していた。議会前で数千人の国民が抗議するなど、グンロイグソン氏の辞任を求める声が高まっていた。

 後任の首相にはヨハンソン氏が就くことが、連立を組む独立党に提案されたと報じられている。(ロンドン=渡辺志帆)