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 海上自衛隊の護衛艦「ありあけ」と「せとぎり」が12日午前、ベトナム中南部カムラン湾に寄港した。同湾はベトナムにとって南シナ海防衛の最重要拠点。外国船の入港は厳しく制限され、日本の艦船は戦後初めて。南シナ海で実効支配を強める中国を念頭に、日越の防衛協力強化を印象づける狙い。

 カムラン湾は中国とベトナム、フィリピンが領有権を争う南シナ海・南沙(スプラトリー)諸島に近く、冷戦時代は旧ソ連軍が使用した軍事的要衝。今回、2隻が寄港したのは、同湾内に先月開港した国際港。海自は「練習航海の一環」としているが、日本政府関係者は「極めて戦略的な寄港地の選定であり、歴史的な訪問だ」と話す。

 2隻はベトナム訪問の直前、やはり南シナ海問題で中国と対立するフィリピン北部スービック港に寄港。フィリピンでは「最近の周辺国の状況に対応するため」と15年ぶりに潜水艦も寄港させた。

 日本は対中国を念頭に、フィリピンやベトナムに巡視船の供与を進めているほか、哨戒機P3Cを頻繁に訪問させるなど、南シナ海での存在感を高めている。(カムラン=佐々木学)