【動画】JAXA柳川孝二さんから子どもたちへ=瀬戸口翼撮影
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 「宇宙の日」全国小・中学生作文絵画コンテストが作品を募集中です。宇宙航空研究開発機構(JAXA)で出前授業の先生役をしている柳川孝二さん(65)は中学時代、「ロケット少年」だったそうです。コンテストに応募しようとしている子どもたちには将来、火星探査や月探査プロジェクトへの参加を目指して欲しいといいます。

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 宇宙開発に携わる仕事に就いたきっかけは、大学に貼ってあったポスターのロケットの写真を見たことです。「これ、かっこいいな」と。そのポスターはJAXAの前身の一つ、宇宙開発事業団(NASDA)が職員を募集する内容でした。

 宇宙の仕事はそれまで、特に意識していなかったのですが、実は中学3年生のときに「ロケット少年」だったんです。そのころ作って遊んでいたのは、今でいう「ペンシルロケット」のようなもの。鉛筆用の金属のホルダーに燃料を入れて作りました。遠くに飛ぶように、ホルダーに切れ込みを入れる工夫をするなどして遊んでいましたね。

 NASDAに就職して、最初に担当した仕事はロケットのエンジン開発です。自分が関わったエンジンでロケットの打ち上げが成功したときは、うれしかったですね。アメリカに1年間留学して帰国した後は宇宙ステーションの利用の仕方などを考える仕事をしてきました。

 宇宙ステーションに昨年滞在した油井亀美也さんたちを選んだ宇宙飛行士の選抜試験では、事務局をとりまとめる立場でした。宇宙で何かトラブルが起きたときには、宇宙ステーションにいる人たちで何とかしなければなりません。宇宙飛行士の選抜試験でもチームの力を最大限に発揮できるような人を選ぼうと考えました。応募してくれた963人の中から、最終的には油井さん、大西卓哉さん、金井宣茂さんの3人が選ばれました。

 いま、JAXAの仕事で出前授業の先生役を務めています。1年間で30回ほど、小学校や中学校、高校、大学にも行っています。授業では子どもたちから色々な質問を受けます。

 「宇宙人はいますか」

 「宇宙の果てはどうなっていますか」

 宇宙には自分の日常とは違った世界があるんじゃないか、と興味を持っている子が多いですね。そういう質問を受けた時は「ぜひ自分で確かめてみて」と答えています。

 「宇宙の日」の作文絵画コンテストに応募しようとしている子どもたちには、火星探査や月探査などに日の丸をつけて加わることを目指してほしいですね。子どもたちが大人になる2030年以降になると思いますから。大リーグのイチロー選手が打つと私たちがうれしいように、同じ日本の仲間が宇宙で活躍してくれれば、きっと私たちに力を与えてくれることになると思います。

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 やながわ・こうじ 1951年生まれ、東京都出身。早稲田大学大学院理工学研究科の物理学修士課程を修了後、旧・宇宙開発事業団(NASDA)に入社。ロケットのエンジン開発や宇宙ステーションの運用計画などを担当した後、08年に募集された宇宙飛行士の選抜試験の事務局トップを務めた。現在はJAXAのセキュリティ・情報化推進部と広報部の特任担当役。65歳。著書に「宇宙飛行士という仕事」(中公新書)。(鈴木康朗)

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