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 熊本県を震源とする14日夜の地震で、県災害対策本部は15日、県内の死者は9人、重軽傷者は1001人と発表した。佐賀、福岡、宮崎の各県でも計11人が重軽傷を負った。この日も断続的に余震が続く中、熊本県内では一時、約4万4千人が避難所に身を寄せた。気象庁は、週末にかけて熊本県で大雨の可能性があるとして土砂災害への警戒を呼びかけている。

 地震は14日午後9時26分ごろ発生。地震の規模を表すマグニチュード(M)は6・5(暫定値)で、気象庁は「平成28年熊本地震」と名付けたと発表した。政府の地震調査委員会は15日、地震は日奈久(ひなぐ)断層帯の高野―白旗区間の活動による、との評価を発表した。

 熊本県警は、亡くなった9人のうち8人は震度7を記録して被害が集中した益城(ましき)町、1人は熊本市東区で被災したことを明らかにした。死因は窒息4人▽圧死3人▽外傷性ショック1人など。ほとんどは倒壊した家屋の下敷きになった。

 総務省消防庁災害対策本部によると、熊本県内で地震の死者が出たのは統計を取り始めた1948年以降で初めて。九州では1人が死亡した2005年3月の福岡沖地震(M7・0)以来という。熊本県災害対策本部は15日午後3時半現在、行方不明者や新たな生き埋めの情報はないとしているが、16日も消防や警察、自衛隊が益城町を中心に捜索を続ける。

 避難所には15日午前5時のピーク時に505カ所で約4万4千人が避難していたが、同日午後3時には375カ所、7262人に減った。断水は15日午後4時現在で熊本市を中心に県内約8万500戸にのぼる。熊本市の給水支援要請を受け、15日夕までに自治体など34団体が熊本市などへの給水車の派遣を決めた。

 回送中の車両が脱線した九州新幹線は15日、博多―鹿児島中央の全線で運転を見合わせた。16日以降も再開のめどは立っていない。

 地震は黄金週間を前に観光業界にも打撃を与えた。熊本観光の目玉とされる熊本城は石垣が崩れ、当面休園する。熊本市内では水漏れやガラスの破損などで四つのホテルが休業し、県内全体で3486人が旅館やホテルをキャンセルした。

 気象庁は16日夜以降、熊本県では多いところで24時間雨量100~150ミリの大雨になるおそれがあると予想。相次ぐ余震で地盤が緩んでいる可能性があるという。

■地震の被害状況

●人の被害

死者        9人

負傷者    1012人

避難者    7262人

●建物の被害

家屋倒壊      多数

火災        4件

●その他

停電        復旧

ガス供給停止  478戸

断水   約8万500戸

(15日午後11時現在。警察庁、総務省消防庁、九州電力、西部ガスなどの発表をもとに作成)