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 九州の交通網の「大動脈」が、熊本地震によって機能不全に陥っている。九州新幹線では、高架橋の防音壁がはがれ落ちるなどの損傷が約130カ所で見つかり、復旧の見通しが立たない。高速道路も一部で通行止めが続いている。

 JR九州は18日午後、脱線した九州新幹線の回送車両の撤去作業を始めた。車両を線路上に戻すため、6両編成の先頭車両を専用の機器で持ち上げて固定。「余震が断続的に発生するなかで安全第一に作業を進める」(広報)ために、完了のめどは立たない。

 脱線車両以外にも、沿線では防音壁が約80カ所で落下し、高架橋の柱は25カ所以上の亀裂が見つかった。「修復には相当な時間がかかる。復旧時期は見通せない」(同)という。

 在来線の一部も運休が続く。熊本と大分を結ぶ豊肥線は、土砂が線路に流入し、一部区間で運転を見合わせている。復旧の見通しは立たない。鹿児島線では、荒尾―熊本駅間が18日に運転再開したが、熊本―八代駅間は運休したまま。熊本駅では駅舎の柱に亀裂が見つかり、一時、駅全体を3時間以上にわたって立ち入り禁止にした。

 高速道路も遮断されている。九州を南北につなぐ九州道では植木IC~八代IC、大分道では湯布院IC~別府ICなど、18日午後11時半時点で3路線が通行止め。橋桁がずれた九州道の木山川橋(益城町)では、18日から橋桁を支える準備工事が始まった。

 九州各地を結ぶ高速バスを運行する西日本鉄道(福岡市)では、14日夜から18日までに福岡と鹿児島や宮崎などを結ぶ路線を中心に計1972便を運休。倉富純男社長は「一般道を含めた迂回(うかい)路の検討を急ぎたい」と話す。

 熊本空港はターミナルビルの天井が崩落したが、19日から全日本空輸や日本航空などが熊本行きの一部の便を再開する。(長崎潤一郎、野口陽)