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 大きな災害のストレスで血圧が上がる「災害高血圧」を防ごうと、専門家が注意を呼びかけている。心筋梗塞(こうそく)や脳卒中、心不全などの命にかかわる病気が増える可能性もある。被災地で、心臓や血管などの病気にならないようにするためにはどうすればよいのか。

 阪神大震災の際に淡路島の診療所で被災者医療を担った自治医科大の苅尾七臣(かずおみ)教授(循環器内科)によると、震災直後から2~4週間は以前に比べて、上の血圧が上昇した、という。苅尾さんは「上昇幅は個人差が大きく、60(単位はミリ水銀柱)も上がる人もいれば、5程度の人もいた。被災のストレスや睡眠不足、塩分などが影響している」と分析する。ストレスを引き起こす要因は、自宅の全壊や、家族の死亡・入院、避難所生活などだという。

 脳卒中や心筋梗塞などによる死亡は阪神大震災前に比べて増えていた。東日本大震災でも、血圧の上昇や心不全の増加が学会などで報告された。

 特に危険度が高いのは、①脳卒中や心筋梗塞、狭心症などの病気が起きたことがある人②75歳以上の高齢者③高血圧をおさえる治療中の人だという。

 一方、苅尾さんは「脳卒中などは予防可能」と話す。そのためには、①睡眠を十分にとる②じっとせずに歩くなどの運動をする③血圧の薬や血液を固まりにくくする薬などを飲んでいる人は欠かさず飲む④血圧が高ければ医師の診察を受けるなどを勧める。避難所に血圧計があれば自分で測ってみてほしいという。医師に測ってもらうと、「白衣高血圧」で高めに出る人がいるためだ。

 被災地の避難所では夜も余震が続くなど安眠できる状況にはなっていないが、落ち着いてきたら、アイマスクや耳栓などを使って眠りやすくする工夫もある。

<アピタル:ニュース・フォーカス・特集>

http://www.asahi.com/apital/medicalnews/focus/(浅井文和)