【動画】九州新幹線が博多―熊本間の営業運転を再開=横田千里撮影
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 九州新幹線の博多―熊本間の営業運転が23日、9日ぶりに再開された。熊本地震の影響で運転停止中だったが、JR九州が23日朝から試験走行を続け、問題ないと判断した。新水俣(熊本県)―鹿児島中央に続く再開で、残る熊本―新水俣間も復旧を急いでいる。

 在来線では博多―熊本間は2時間あまりかかっているが、再開で1時間ほどに短縮される。被災地支援などにも後押しとなる。

 23日午前7時25分、JR熊本駅。駅員と報道陣のほかは無人の新幹線ホームに、博多駅から試験走行してきた8両編成の車両がゆっくりとすべりこんだ。車内ではヘルメットをつけた数人の作業員が、座席に異常がないか点検していく。運転再開に向け、走行に支障がないかの最終的な確認だ。JR九州は試験走行を午前11時ごろまで続け、営業運転を正式に決めた。

 14日夜に運転停止になって以来の再開となる博多―熊本間。熊本大の男子学生(20)は大学が5月上旬まで休講になり、新幹線で神戸市の実家に帰る。「復旧が意外と早かった。人やものの行き来が活発になって熊本の復興につながってほしい」と話した。

 ただ、「完全復旧」には遠い。通常なら1日平均で上下合わせて約120本だが、23日は上下21本、24日以降も30本と大幅な間引き運転になる。すべて各駅停車で、防音壁が落下するなど被害が大きかった新玉名(熊本県)―熊本間は特に安全確保のため、時速70キロほどに落として走る。

 博多から熊本まで1時間あまりとなるが、本来は最速33分、各駅停車でも50分程度だった。広島市の機械設備メーカーに勤める男性(49)は熊本県の取引先企業の設備復旧のため行き来する予定だが、「再開はうれしいけれど、徐行や間引き運転のない状態まで早く戻ってほしい」と話す。

 14日の地震では、熊本駅から南へすぐの熊本総合車両所を目指していた6両編成の回送列車が脱線した。高架橋の柱にヒビが入ったり、防音壁が破損して落下したりといった設備の損傷は計150カ所に及んだ。

 特に新玉名―新八代間に被害が集中。熊本駅ではホームドアが破損し、新八代駅はホームを支える部分が20カ所損傷した。JR九州は高架上に倒れてきた工場の煙突を撤去し、ゆがんだ線路の補修、破損した防音壁をロープで応急処置するなど、設備の復旧作業を夜間や休日も続けてきた。

 一方、残る運休区間の熊本―新水俣間の再開時期はまだ決まっていない。早期復旧を目指して、22日に始めた脱線車両の移送を急いでいるほか、新八代駅の復旧工事なども続けている。