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ハウス食品「やさしくラクケア」

 1926年に「ホームカレー粉」を発売して以来、ハウス食品はカレー作りに取り組んできた。

 63年に「バーモントカレー」、68年に「ジャワカレー」を発売。71年には、同社にとって最初のレトルトパウチに入ったカレー「ククレカレー」を売り出した。

 そしていま、介護食品「やさしくラクケア やわらか肉のレトルト」シリーズの中で、「やわらかビーフの欧風カレー」が最も根強く支持されている。

 カレー作りとレトルト食品のノウハウに加え、嚥下(えんげ)困難(食べ物などをうまくのみ込むことができない状態)になった人でも食べやすいように、とろみとやわらかさ、むせない程度の辛さ、具材の食感を残す調理方法の開発に工夫を重ねてきた。肉はやわらかく、口の中でつぶすとジュワッと肉汁がにじみ出る。同社独自の技術によるという。

 「お肉をおいしくすることは、社として長年取り組んできたテーマ。高齢者にもお肉が好きな方が多く、おいしいものを笑顔で食べていただくために、味にこだわって作っています」。そう話す同社の的場美紀子さんは20年近く食品開発に携わってきた。介護食品を担当して4年余り。同社のフードソリューション本部ユーザーソリューション開発部3ビジネスユニットマネージャーという肩書を持つ。

 同社は東京・広尾にある日本料理店「分とく山(わけとくやま)」と連携。研究開発を担当する社員たちが店に通って修業したり、総料理長の野崎洋光氏からメニューに助言をもらったりしてきた。的場さんも野崎氏の和食の技術を学んだ一人で、「つくりたてのだしのうまみと具材の味をどう生かすか。だしをきかせすぎてもダメ。料理人のこだわりを教わりました」と振り返る。

 栄養補給のため、介護食にはたんぱく質をはじめさまざまな栄養素を加える。栄養素の味が前面に出るのを抑え、やわらかさととろみを加え、いかに食べやすくするか。ひとつのメニューを開発して製品化するまで1年ぐらいかかるという。

 「やわらかな具のレトルト郷土料理」シリーズは、鶏の水炊き、鶏飯、ほうとうなど6品目。「外出が難しい」「旅行に行けない」という高齢者に、旅行気分と故郷の味を楽しんでもらおうと企画された。お米やほうとうなどの主食を含むため、一品で食事になる。人気が根強いのは「うな茶漬け」で、昨年最も売れたのは「芋煮」だ。

 同社の介護食品「やさしくラクケア」シリーズは、ユニバーサルデザインフードの区分2・3・4にあたる。普通食に近いものより、区分2以上の方がニーズがあると考え、現在のラインナップになったそうだ。

 区分4の「やさしくラクケア とろとろ煮込みのレトルト総菜」シリーズは、ビーフカレー、クリームシチュー、肉じゃが、すき焼きの4品目。ミキサーにかけて混ぜる味ではなく、料理の味のままペースト状にすることにこだわった。

 「食欲があるうちは、誰でもおいしいものを食べたいもの。見た目や香りでおいしく感じられるように研究しました」と的場さん。

 区分3の「まるで果物のようなゼリー」は、やわらかさととろみに加えて、果物の食感を再現することに力を注いだ。同社が家庭向け介護食品に参入するきっかけになった製品だ。

 病院食でデザートに果物が出ても、硬かったり口の中で水分が出たりすると、嚥下困難の人は、食べたくても食べられないことが多い。好きな果物を食べられて、さらに満足できる食品をめざした。

 ゼリー状に固める際には、同社のデザート製品の技術を応用した。肥満や糖尿病の人も食べやすいよう、ひとつで10キロカロリーに抑えた。果物が最もおいしい時期のpHや甘さ、酸味、切ったときの香りなどを再現するのに苦心したという。

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 〈ハウス食品〉 1913年、大阪で「浦上商店」創業。26年に「ホームカレー」の稲田商店を吸収し、即席カレーの製造を始めた。70年に「ククレシチュー」を発売してレトルト食品分野に参入。93年、「ハウス食品株式会社」と社名を改めた。95年に病院向けゼリー、2008年に家庭向けの介護食品を発売。飲料や菓子、調味料なども販売している。

 商品情報は「やさしくラクケア(ケアフード)」のページへ。

https://housefoods.jp/products/special/rakucare/index.html別ウインドウで開きます

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 〈ユニバーサルデザインフード、略称「UDF」〉 日本の介護食品協議会による自主規格で、硬さや粘度により四つの区分に分類される。区分1は「容易にかめる」、区分2は「歯ぐきでつぶせる」、区分3は「舌でつぶせる」、区分4は「かまなくてよい」、と表示されている。(坂本真子)