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 総務省が3月に新しい指針を決めたことを受けた携帯電話各社の料金プランが31日出そろった。これまで「実質0円」だったり、数万円のキャッシュバックをもらえたりした端末購入の負担が1万円程度に増えた一方、長期利用者向けの料金割引は月数百円にとどまる。携帯会社の収益は増える見通しで、「焼け太り」との批判も出ている。

 総務省の新たな指針は、①端末販売の適正化、②長期利用者への優遇、③通信量が少ない人向け料金の導入――の三つが柱。特に問題視するのがスマホの「実質0円」販売で、頻繁に機種を変えたり、携帯電話会社を乗り換えたりする人ばかりが得をしているという不公平感をなくす狙いだ。

 NTTドコモ、KDDI(au)、ソフトバンクの大手3社はこの指針を受け、4月から端末の自己負担を実質1万円程度に引き上げるとともに、31日までに指針に沿った新しい料金プランを発表した。

 ドコモが6月1日から適用する新料金は、これまで5年以上の利用が条件だった長期割引の対象を「4年以上」に広げ、月々の割引額を200~500円拡大する。15年以上利用し、データ利用料も多い人の場合、割引額は月2千円から2500円に増える。

 KDDIは11月から、4年目以上の利用者を対象に、使っている期間に応じてデータ通信量1千円あたり20~100円分のポイントをつける。割引は最大で900円分になる。ソフトバンクは秋から、契約3年目以上の人の通信料金を月200円割り引く。500円分のポイントで受け取ることもできる。

 3社はそれぞれ、通信量の少ない人向けの新料金も設定。最も安い料金はドコモがこれまでより2千円(3人家族の場合)、KDDIは1300円、ソフトバンクは1600円安くなる。

総務省、割引拡大求める構え

 「端末販売のコストは、かなり減ってくるだろう」。KDDIの田中孝司社長は31日の発表会で、新料金の好影響を予想した。

 2006年に電話番号を変えずに携帯会社を乗り換えられる「モバイルナンバーポータビリティー(MNP)」制度が始まって以来、各社は端末代金の割引やキャッシュバックに多額の資金をつぎ込み、利用者を奪い合ってきた。

 今回の新料金で行き過ぎた競争が一段落し、携帯各社の収益は押し上げられそうだ。ドコモは、端末販売の見直しで17年3月期決算の営業利益が100億~200億円増えると予想。端末価格を「実質0円」にするための負担がなくなる効果が、長期利用者への割引拡大によるコスト増の一部を打ち消すという。

 KDDIとソフトバンクは新料金プランの影響額を公表していないが、いずれもドコモより長期利用者が少ないため、プラスの影響が大きいとみられる。総務省は「これでは焼け太り。各社はさらに新サービスを打ち出してくれるはずだ」(幹部)と、割引の拡大を求めていく構えだ。(上栗崇、大畑滋生)