【動画】損壊した黒川第一発電所の貯水槽。現場では土砂崩れが起き、ふもとの集落が被害にあった
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 熊本地震の本震で、熊本県南阿蘇村の水力発電所「黒川第一発電所」が壊れ、大量の水が集落に向け流れ出ていたことが明らかになった。因果関係は不明だが、現場では土砂崩れが起き、2人の住民が亡くなった。発電所を持つ九州電力は週明けから調査に取りかかり、外部専門家を交えて水の流出と土砂崩れの関連を調べる。

 発電所は同村立野の山の斜面にある。九電の担当者が7日、村役場などを訪れ、週明けから土砂の採取など調査の準備に入ることを報告し、了承を得た。

 黒川の水を貯水槽まで引き、約250メートル下の発電設備までの落差を使い発電する黒川第一。九電によると、4月14日の「前震」後に設備を点検した時は、異常はなかったという。しかし本震後の16日未明、貯水槽の水位が低下。朝になって上空から確認したところ、貯水槽の外壁や水路が壊れ、水が流れ出ていた。作業員が黒川から取水を止めた午前9時半ごろまでに流出した水は、約1万立方メートル(25メートルプールで約20杯分)にのぼるとみられる。

 現場では土砂崩れが発生。ふもとの新所(しんしょ)地区で家が押しつぶされ、片島信夫さん(69)と妻の利栄子さん(61)が亡くなった。

 通商産業省(現経済産業省)は、1965年に水力発電所の耐震性など技術基準を省令で定めた。黒川第一の貯水槽は、それ以前につくられたため適用外という。九電は斜面の崩落は貯水槽より上から発生しているとして、「水の流出と斜面の崩落の因果関係は不明」(広報)と話している。

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 〈黒川第一発電所〉 1914年に完成した水力発電所。黒川から取水し、貯水槽から発電所までの約250メートルの落差を利用して発電している。最大出力4万2200キロワットで、約1万4千世帯分の電気を供給できる。

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