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「お母さんのこと、恥ずかしい?」

(アルツハイマー型認知症だった亡き母の言葉)

 2014年11月10日、あの高倉健氏と同じ日に母は永眠しました。

 アルツハイマー型認知症で、徐々に自分を無くしていき、亡くなる前の数年はもう介護無しでは生きていかれない状況でした。

 気丈な父が1人で担ってくれていましたが、最後は介護施設のお世話になり穏やかな日々を過ごせ、ありがたかったです。

 娘としては、離れて暮らしているとはいえ、あまり直接世話を出来ないままだったのが申し訳なく思います。

 今、いちばん心に残る言葉は、まだ半分くらいは自分を見失っていなかった頃の母が私に尋ねた「…お母さんのこと、恥ずかしい?」という一言です。

 同じことを何度も言ったりする母に、時々イラついて「もうさっき聞いたから!」と冷たくあしらったりしていた私は、心が痛みました。

 自分の記憶があいまいになることを、母本人が一番不安なのだと、思い知らされました。

 今も私の耳と心にチクリと残っています。

 ずっと元気だった父も、このごろは風邪をこじらせたりするようになって、やはり年齢には勝てないようですが、体調に気を付けてもうしばらくはゴキゲンに一人暮らしを楽しめるよう、母にも見守っていて欲しいです。

◆大阪市 美容師女性 50代

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 朝日新聞文化くらし報道部「介護 あのとき、あの言葉」係

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